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 そのまま啄むようなキスを繰り返して、寝室まで辿り着くと、窓から差し込む光の薄暗さに、今が何時なのか分からなくなる。 「何か考えてる?」  ベットに優しくサチを下ろすと、拗ねたように乳房に吸い付くので、頭を包み込むように抱きしめ、今何時かな?と確認した。 「まだ夕方の六時くらいかな」 「そう。日が落ちるのが早くなったね」  返事を返すと、上の空だった理由が分かったからか、康孝が乳房に埋めていた顔をあげる。 「どうされたら気持ち良い?」 「それ聞く?」  笑って返すと、じゃあ好きにさせて貰うと康孝の唇が下肢へと近付いていく。  秘められた茂みから太腿の内側を手の甲が何度も行き来する。サチが捩るように両脚を閉じそうになると、熟れた蜜口を指で拡げて唇を押し当てる。 「ぁんっ」  サチから吐息のような嬌声が漏れると、蜜が溢れる入り口に舌を這わせて吸い上げ、優しく舌を出し入れして中を味わっているようだった。 「あぁっ、んっ」  漏れる嬌声に恥じらいを覚えるが、更に腰を捻って愛撫を誘う。 「随分と余裕があるんだね」  そう言うと、康孝は体勢を変えるようにサチを誘導する。  何を言わんとしているのか理解したサチは、康孝の顔に秘所を向け、代わりに熱を帯び、想像よりも逞しい康孝の芯を口に含む。  ―――こんなの入るかな。  最初は舌先で尖端を舐め、溢れる蜜を吸い上げる。親指と人差し指を窄めて輪を作ると、芯の付け根に沿わせて上下に扱きながら唇を当てる箇所を少しずつ変えて舌で刺激する。  康孝は眼前の蜜口に指を滑り込ませると、水音をたてるように少し激しく中を犯す。 「もう少し腰を落として」  そう言うと、蜜を舐めとるように舌を這わせて蜜口に挿し入れ、膨れてきた蕾を器用に指先で扱き始める。 「んっ、あぁん」  突然の刺激にビクッと腰を浮かせるが、それを許さないように康孝が両手で腰を押さえる。  はしたないと感じながらも、こんなにも気持ち良い思いをした事がないサチは、腰を押し付けるように下げると次の刺激を待って、目の前の芯への愛撫を再開した。  付け根を押さえ込んだ指の輪をキツく絞めて上下にゆっくりと扱くと、口に含んだ尖端を甘噛みしては溢れる蜜を口の中で舐め、舌を執拗に絡める。 「はぁっ」  芯が大きく震えて康孝から甘い声が漏れる。その声に刺激されて今度は喉の奥までしっかりと咥え込むと、根元近くから吸い上げるように唇を絞って上下させる。  同時に互いの熱を持った箇所を味わうと、息とも声ともとれない甘い息遣いと、厭らしい水音だけが部屋に響く。  夢中で互いを貪り合うと、今の刺激だけでは足りなくなり、与えたいと思うのと同じくらい欲しくなる。  どちらからと言わず、身体を起こすと康孝がサチを抱き寄せて唇を重ねる。  欲望を貪った体液の味が残るキスで、こんなにも官能的に蜜が溢れるのを経験した事がなかった。 「凄く気持ち良かったね」  キスの合間に康孝が甘く囁くと、返事をする前に舌を絡め取られる。  上に跨るような姿勢のサチは、乳房を鷲掴みにした康孝と同じく、彼の胸に手を這わせて乳首を指で弄った。 「女の子じゃないから、あんまりそこは弄ったことないな」 「気持ち良くなるかも知れないよ」  二人で笑って睦み合う。  康孝をゆっくりとベットに押し込むと、唇から離れて、首筋や鎖骨に舌を這わせる。  その行為には何も言わず、康孝はサチの脇腹や背中を大きな掌で愛撫する。  そしてサチの舌は康孝の乳首を捕らえると、ゆっくりと舐めては吸い上げる。同時に股間の芯を片手で扱きながら、胸への刺激を止めることなく続ける。 「ぁっ……」  康孝の甘い声が漏れる。その声に更に胸元への愛撫を強めてキツく吸い上げ、舌を器用に這わせる。  彼の言う通り、それまで反応が乏しかった胸の頂がぷっくりと立ち上がってきた。  妙に嬉しくなって、指先を口に含むと唇を充てがうのとは別の突起をその指で弄った。 「ふっ」  溢れる嬌声はどちらのものなのか、気が付くとサチの秘所は康孝の骨張った指を二本も飲み呑んでいた。 「んぁあ」  愛撫する手が、与えられる快楽に抑えられて止まってしまう。 「僕自身で中を味わいたい」  堪えていたのか、充分に濡れそぼってヒクついた蜜口に芯を押し当てて切なげに呟く。 「私も中で感じたい」  サチの返事に参ったなと笑い、サイドテーブルの上に無造作に置かれた避妊具の箱を取るように言う。 「あ、支度ってこれを買いに?」 「最低限のマナーでしょ」  それとも中に散らされたいの?と悪戯っぽく笑ってサチの鼻をつねると、受け取った避妊具をつけて、熱く湿った芯を蜜口に押し当てる。  その動作がもどかしくてサチは自分から腰を揺らし、芯に蜜を絡ませる。 「なんでそんなに厭らしいの」 「分からない。こんな風になったことないから」 「複雑だけど嬉しいよ」  康孝は苦笑いでキスをせがむと、サチの腰をに手を添え、充分に刺激を与えて湿らせた中に、ゆっくりと深く奥まで芯を沈める。 「ん。あぁっ、あっ……」  ―――大きい。  下腹部が膨張して内臓が圧迫される。その感覚に慣れる間もなく、康孝は蜜口の入り口付近まで一気に引き抜くと、今度は激しく奥へと穿つ。 「あぁんっ」  思わず声が出る。ただ挿し込まれただけなのに、こんなにも敏感にヒクついて強請るように腰を振りたくなる。 「下から突かれるのが好き?」 「分かんない」  大きくて圧迫感が凄い。激しく突き上げられる刺激がもっと欲しくてサチは淫らに腰を振った。 「あっ、擦れてきもち、い……」 「そんなに自分で動いて、厭らしいね」 「厭らしいのは嫌い?」  妖艶な顔つきで康孝を見下ろす。 「僕にだけなら許すよ」  そう言って真剣な顔でサチを見つめるので、なんだか堪らない気持ちになって、貪るように口づけ合った。 「サチ、僕が好き?」 「こんな時にズルいね」  太くて逞しい芯で抽挿を激しくすると、康孝は少し拗ねたようにキスを強請る。  漏れる嬌声を口内に吸い取られて、サチは自らよがって捻る腰を康孝に押さえ付けられる。 「サチの中、凄く気持ちがいい。離れていかないでって締めて引き留めるのクセなの?」 「知らない」  羞恥からぶっきらぼうに答えると、ほらまたと抽挿を早めて笑う。 「んっ、し……知らないってば」  余裕たっぷりの康孝に悔しさを覚えて、奥まで咥え込んだタイミングで締め付ける。 「そんなに締め付けるほど気に入ったの」 「これで終わりじゃなければね」  悔し紛れにそう返すと、まだまだ離してあげないよと囁いて抜きかけた芯を奥に穿った。
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