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「んー。ヤスが恋に落ちるはずね。可愛らしいわ」
「お上手ですね。嬉しくなっちゃいますけど、奥様の方がお美しいですよ」
お世辞を言ったわけではない。彼女は本当に透き通るような肌と年齢不詳な妖艶さがある華やかな女性だからだ。
「まぁ、嬉しいわね。ありがとう」
口元に手を添えるとにっこりと笑い、サチに幾つなのと質問する。
「三十二です」
ヤスより若いのねと驚くと立て続けに仕事は何をしているの?とまた質問が飛んでくる。
「レストランの店長です」
すると彼女は驚いたように目を見開いて、あら!と声を出す。
「ヤスと同じじゃない。どこでヤスと知り合ったの?」
「うちの店だよ」
トレイに飲み物を乗せて、康孝がリビングにやってきた。
―――助かった。
サチは質問攻めから解放されると、康孝の動きを静かに待った。
「まあ!ゲストに恋をしたの?」
「そうなるね」
溜め息を吐きながら康孝が答えると、康孝の母親は目を輝かせてサチを見つめている。
「サっちゃんはヤスのどこを気に入ってくれたのかしら」
「そうですね……真摯で誠実なところですかね」
「え、それヤスのこと?誰かと間違っていない?」
目を瞬かせて首を傾げる彼女に、サチは笑って大丈夫ですと答えると、更に続けた。
「間違ってませんよ。ちょっと意地悪だったりするところも好きです」
「あら、ご馳走様」
嬉しそうに笑うと、康孝の母親はグラスを手に取り乾杯しましょうとマイペースで話を進める。
「ごめんねサチ」
「なにが?」
謝る康孝の手を彼の膝の上で握ると、サチは目の前に置かれたグラスを手に取って、何に乾杯しますかと彼の母親に尋ねる。
「そうね、ヤスとサっちゃんの未来に乾杯しましょうか」
「わ、照れちゃいますね」
「ほらヤス!ボサッとしてないでグラス持ちなさい!」
康孝はそれを聞いて渋々ながらグラスを手に持つ。
「では、ヤスとサっちゃんの未来に」
「乾杯」
グラスを合わせて一口飲むと、なんだか馴染みのある味がする。
「美味しいです」
「あら気に入った?」
「サチ、これレモネードの焼酎割りだから」
「なるほど。レモンサワー」
「私もサチって呼んでも良いかしら?」
「母さん!」
康孝が彼の母親を制するも、サチは大丈夫とまた改めて彼の手を握り直す。
「私は構いませんよ。それと奥様に質問してもよろしいですか?」
「なあにサチ」
「差し支えが無ければ、どちらのご出身なのかお伺いしてもよろしいですか?」
「フランスよ」
レモンサワーを飲んで喉をこくりと鳴らすと、彼女はそう答えた。
「じゃあ、康孝さんにはフランスの血も流れてるんですね。奥様が外国の方だとは伺っていたんですが、初めて知りました。凄く流暢な日本語をお話になるんですね」
「そう?嬉しいわね、そんなに褒めて貰えるなんて」
「母さん……サチは貴重な休みを割いて俺に会いに来てくれたんだ。もうそろそろ切り上げてくれないか」
サチよりもまいっている様子で康孝が母親に勘弁してくれと投げ掛ける。
「あらそうだったの、ごめんなさいねサチ」
「いえ、奥様とのお話は楽しいですよ」
「サチ、無理に付き合わなくて良いんだよ」
康孝はサチの手を握り返すと、困ったようにそう言った。
「サチを独占したいのね。分かってるわ。私も時差ボケで少しハイになってるみたい」
「奥様は今日こちらに?」
「そうなの。バタバタしていてうっかり内鍵をかけてごめんなさいね」
ドアロックの事を言っているのだろう。お気になさらずと一言伝えると、サチは康孝の母親にまだ聞きたいことはあるか質問する。
「そうね。サチ、貴方文学はお好き?」
この質問にどう返すか戸惑って、康孝に視線を移す。彼の反応を見ると、どうやらタブーではないらしい。
「難しい本はあまり読みませんが、私が好きなのは江戸時代が背景の時代小説なんです」
サチが目を輝かせてそう答えると、康孝の母親はあら、と声を出す。
「実は私、北条大和さんの作品が大好きなんです」
「なんてこと。こんなお嬢さんがヤマトの作品を好きだなんて」
「凄く大好きで、先日もサイン会に参加したくらいです」
サチは一言断って鞄から新刊を取り出すと、宛名の書かれたサイン本を康孝の母親に見せた。
「あら、本当に好きなのね」
サインの箇所を愛おしそうに撫でると、康孝の母親はありがとうねと囁いた。
「色々と行き違いがある中で、北条大和さんが……まあ本を通してですけど、私と康孝さんを繋いでくれました。有難いご縁です」
サチは満面の笑みで康孝と彼の母親を交互に見ると、話しすぎましたねと謝った。
「……母さん。サチはあのシリーズが一番好きなんだよ」
「まあ!本当なのサチ」
「え?あ、ごめんなさい。なんですか?」
興奮する康孝の母親とは対照的に、レモンサワーで喉を潤していたサチは、肝心の話の内容を聞いておらず、康孝の方を見てなんのことか首を捻る。
「サチには特別に教えてあげるよ。母さんの名前はイネス・マルタン。仄暗い海のような静かな青い焔を宿した瞳、だと思わない?」
そこまで聞いてハッとする。
「え、あ!お稲さん!?」
驚くサチに康孝は笑うと、お稲のモデルは母のイネスなのだと教えてくれた。
「あのシリーズは、父から母へのラブレターみたいなものなんだよ」
「そうね。ヤマトはまだ私の物語を綴ってくれているわ」
イネスは当時を懐かしむように、北条と別れ、そして康孝と気ままに日本で過ごす経緯を話し始めた。
彼女は学生時代、留学中に北条と出会い、大恋愛の末に結婚して康孝を授かった。だが程なくして国に残してきた母親が重い病で介護が必要になったとの知らせを受けた。
それに対して、北条は一緒に渡仏すると申し出たのだが、作家になる夢を自分とその母親のために諦めて欲しくなかったイネスは、自分は死んだものと思って欲しいと書いた手紙と康孝を残して北条の元から去った。
北条は出来うる限りの様々な手を尽くしてイネスを探したが、情報は遮断されて手詰まりになってしまう。
そして月日が流れ、長い介護を終えたイネスは一縷の望みを抱き再び日本を訪れる。
夢を叶えた書店に並ぶ北条の作品を頼りに連絡を試みるも、その時にはもう北条は再婚して家庭を築いていた。
北条も、全ての事情を知る彼の妻も、イネスと北条の復縁を望んだが、幼い二人の娘を傷付けてはいけないと、イネスはそれを断る代わりに、康孝と自由に会う事を望み、このマンションを購入したのだそうだ。
北条はどうしてもイネスを忘れられず、彼女を主人公にした小説を書いた。それがお稲シリーズの始まりだそうだ。
「お稲さんの目が青いと喩えられてるのは、奥様がモデルだったからなんですね……」
そんなロマンスが隠されていたとは知らず、サチは少し涙ぐんでイネスを見つめた。
「まあサチ、泣かないで。ヤマトは幸せに新しい家族を築いたし、私はこうやってヤスといつでも会えるから大丈夫よ」
イネスは大きく腕を広げてサチを愛おしげに抱きしめると、感受性が豊かなのねと優しく背中を撫でた。
「ちゃんとした女性を選んだのはもう分かっただろ?話はまた今度にして、そろそろサチを解放してやってくれ」
「ええ。ヤマトの本を好んで読むなんて見所があるわ、サチ」
チャーミングな笑顔でウィンクして見せると、眠気が出てきたわとレモンサワーの入ったグラスを持って立ち上がり、可愛く手を振り階段を登って自室に戻って行った。
「破天荒な人でね……夢を崩すようだけど」
「ううん、お稲さんらしい」
「そうかな。まあ聞いて貰った通り、両親の関係が複雑でね。父は家庭を持っても、なんなら今でも母さんを不変的に愛してる。長い片思いみたいにね」
作品にしてしまう程だから信者だね。そう笑ってサチを見ると康孝は話を続ける。
「最初は再婚にも賛成したんだ。でも事実を知ると、俺にはそれがずっと歪に見えてね。心は母さんに捧げながら、他の女性と家庭を持った父を見て、愛してるなら一人を貫けば良いのにって」
吐露し終えた康孝の手をサチはそっと握った。
「だから康孝さんはシリーズのファンだと言った私に複雑そうな顔をしてたんだね」
康孝が愛とか恋が分からないと言っていたのは、両親の複雑な関係があったからだと分かる。
「あれ、顔に出てた?」
困ったように笑う康孝に、うん今みたいな顔をしてたよと笑う。
「でもなんとなく分かるかな」
イネスの口から語られた、長い昔話を思い出してサチはチクリと心が痛んだ。
「分かるって、愛情不信のこと?」
康孝は少し不思議そうにサチを見る。
「うちの場合は真逆でね。両親は政略結婚の冷めた夫婦関係なの。私は世間体のために生んだ子。育ててくれたのは家政婦さんだし、親は愛よりお金を与えて満足した。だから私も高校までは子供の役割を果たしたの。そして十八で縁を切るように家を出た」
サチが人に、特に異性に執着出来ないのは、両親の関係性と、自分を愛してくれない親から、相手に期待したりすること自体に意義を感じないようになったからだ。
「ごめんね。つまらない話を聞かせて」
眉を寄せて複雑な気持ちのまま笑うサチに、康孝は妙に納得したようにそうかと呟いてから、そっとサチを抱きしめる。
「話してくれてありがとう」
「話しといた方が良いと思って」
「俺は傍にいるから」
「頼もしいね」
サチは笑うと、嫌な空気を払拭したくて話題を切り替える。
「ところで、なんでお稲さんは隠密の設定なの?実際お会いしたら、イネスさんは華やかなイメージだけど」
イネスがモデルのはずだが、設定は物語上の演出だろうか。サチはふと疑問に思って康孝の顔を見る。
「あぁ、それは母さんがDGSEの職員だからだよ」
「DGSE?」
「サチが喜びそうな表現をすると、フランスの情報機関だね」
「凄い!本物のスパイなの?」
「まさか。ただの事務員だよ」
笑って否定しながら、でもねと康孝は続けて、再会したころにイネスからママはスパイだからヤスと会っているのがバレると消されるのと聞かされたらしい。
「俺もちょっと信じてた時期があったよ。母さんはやたら日本語が上手いし、こんな風にふらりと現れるから」
高校生の頃かな?と懐かしそうに笑う。
「素敵な人ね」
「そんな風に思うのは父とサチくらいじゃないかな。台風みたいな人だよ」
「そうかな」
穏やかに笑い合うと、康孝が飲み直す?とサチに聞く。スマホで時間を確認するともう十二時半になっていた。
「眠れない?」
「そうだね、まあでも全く寝ないわけじゃないから大丈夫だよ」
「じゃあもう少し飲もうか」
サチは答えて、おつまみどうする?と康孝の顔を覗き込む。
「健次郎くんと由梨ちゃんの家でしっかりご飯を食べたからなあ」
そう言って、康孝は顎に指を当てて少し考えると、何か思い出したように笑顔になる。
「マダム紀子のビーフシチューがあるよ」
「あぁ、叔母様の作り置きね」
「そう。温めて盛り付けようか」
「分かった。手伝うね」
ソファーから離れてキッチンに向かうと、康孝はなんだか凝縮された二日間だねと、サチを見て笑う。
「私も、夜にまたここに立つとは思わなかった」
腕を捲ってシンクで手洗いを済ませると、康孝から渡されたキッチンペーパーで手を拭う。康孝も手洗いを済ませて手を拭くと、サチに鍋を用意するように伝え、冷凍庫からジッパー付きの袋を数個取り出してサチの隣に立つ。
「具材は全部ボイルしてくれてるから、解凍で煮詰めるだけなんだけどね」
「至れり尽くせりだね」
じゃあ手伝いは要らないね。サチは笑いながら私は何をすれば良いのと尋ねると、康孝は横にいるだけで良いよと髪に口付ける。
「そうだ。ワイン開けたらどう?冷蔵庫に冷やしてあるよ」
ジッパー付きの袋を開けて鍋に具材を入れ、弱火で温め始めると、俺も飲みたいし開けようよと棚からグラスを二つ取り出す。
サチは冷蔵庫から程よく冷えたワインを取り出すと、コルクスクリューを受け取って、手際よくワインを開ける。
「お店でボトルワイン扱うこともあるの?」
サチの手際の良さに驚いて、それとも家でよく飲んでるのかな?と康孝は鍋の様子を見ながら話し掛ける。
「うん。店でも扱うし一人でも飲むよ」
すぐに答えて、サチはワインを注いだグラスを康孝に渡して乾杯とグラスを合わせた。
「あ、良い香りがして来たね」
溶けて火が通り始めたビーフシチューの鍋を覗き込むと、ご両親が四人いるのはどんな気持ち?と康孝の腰を抱き寄せる。
「んー。今は純粋に楽しいかな」
そう答えてワインを飲むと、サチは両親が恋しい?と康孝が尋ねる。
「どうだろう……一人で楽になったかな」
少し考えてそう答えると、また切ない顔して康孝がサチを抱きしめた。
「これからは二人に慣れてもらわないとね」
「そうだね。楽しまないと」
柔らかく笑うサチを見ると、康孝は少し安心したように、そろそろ良いかなと鍋の火を止め、棚から食器を出すように伝えて、冷蔵庫を開ける。
「これでも良い?」
サチが出したのはサラダボウルだったが、康孝はそのまま受け取ると、シチューを盛り付け、生クリームを少し垂らすと、パセリを散らせた。
「カリスマ店長さすがの盛り付け」
戯けてキャーと黄色い声を出して騒ぐので、康孝は何だよそれとサチの鼻を摘んで笑った。
「よし。飲み直そう」
サチはワインを運び、康孝がシチューを運んでリビングのソファーに腰掛ける。
「改めて乾杯」
「かんぱーい」
二人でグラスを合わせてシチューを食べる。野菜がたっぷり入ったシチューはお母さんの味がする気がした。
「優しい味がするね」
「俺にとっての母の味だね」
「母の味か……」
「今度は紀子叔母さんにも会ってよ。凄く喜ぶと思うから」
なんなら明日カフェに呼ぼうかと嬉しそうに言うので、そうねと返す。
「叔父様だけにご挨拶するのも失礼だよね」
「どうしたの?断るかと思った」
「憧れのお稲さんから直接パワーをいただいたからね」
にっこり笑うサチに、康孝はもう寝てるだろうけど叔母さんにメッセージを送っとくよと、ポケットからスマホを取り出してタップする。
「明日お会い出来たら嬉しいな」
「ヤバい、サチが可愛い!すぐ入れたい!」
「出た!ハラスメント」
声を立てて笑うと、シチューが冷めないうちに食べ切ってしまう。
「凄く美味しかった」
「それなら叔母さんに直接言ってあげて」
そう言いながらスマホの画面をサチに見せる。可愛いスタンプで、了解。楽しみ。おやすみ。立て続けに三個押されていた。
「お眼鏡に叶うと良いんだけど」
「彼女を紹介するだけで舞い上がるよ」
母さんみたいにねと康孝は笑ってワインを飲み干す。サチもグラスに残ったワインを飲み干した。
「これ片付けたら風呂に入る?」
食器を下げながら康孝が尋ねる。
「そういえば、服!シワになってないかな」
着替えを持ってきていた事を思い出して、キッチンの脇に置かれたトートバックに目をやる。
「クローゼットのハンガーを好きに使って。中にチェストがあるから、畳んで入れるものはそこに入れればいいから」
寝室を指差してやっておいでと言うと、康孝は洗い物の手を進めた。
サチは寝室に入ると電気をつけ、クローゼットを開けてハンガーを取り出す。
ベッドの上に一旦トートバッグの中身を全て出して広げると、明日のコーデを組み合わせてハンガーにかける。掲げて全体を見てみるがシワにはなっていないので安心する。
ニットやスカートはハンガーに掛け、それ以外はチェストにしまうことにする。一番上の段にスペースがあったので、下着も含めてそこにしまった。
あとは買ってきた化粧品をどこに置くかだ。この部屋にはベッドと大きな本棚、ランプが置かれたサイドテーブル意外に家具はない。その上洗面所にしか鏡が無い。思案しているところで康孝から声が掛かる。
「今お湯を貯めてるからもうすぐ入れるよ。ん?どうかした」
「コスメをどこに置かせて貰うか考えてて」
「あぁ、洗面台に置いてて大丈夫だよ」
「じゃあそうさせてもらうね」
サチはバスルームに向かうと、パッケージを剥がして、すぐ使える状態に整えると、洗面台の脇に化粧水なども置かせてもらう。
「ポーチだけでも持ってくれば良かったな」
乱雑に置いたコスメを見て呟いた。
お手洗いを借りてリビングに戻ると、寝室から康孝が出てきたところだった。手には二人分の着替えも持っていた。
「じゃあ入ろうか」
当然のように一緒に入る雰囲気なので、サチは念のため確認する。
「イネスさんは起きてこないの?」
「あぁ、上にもバスルームとトイレがあるんだよ。だから気まずい鉢合わせとかは無いから安心して」
康孝はそう言うと、サチの手をとってバスルームに向かう。
「俺はトイレを済ませてくるから、先に入ってて」
脱衣スペースのカゴに着替えを置くと、服は洗濯機に入れてねとバスルームから離れる。
服を脱いで洗濯機に入れると、下着を外して洗濯用のネットが無いことに気がついた。
仕方がないので、ブラジャーだけは入れずに脇に避けて浴室に入る。
コックを捻ってシャワーを浴びるとバスルームの扉が開き、磨りガラス越し服を脱ぐ康孝が見える。
「康孝さん……」
浴室のドアを開けると、金具が他の服に絡むといけないので、ブラジャーはわざと入れてないことを伝える。
「なるほど。じゃあ今もう回しちゃうね」
洗剤と柔軟剤をセットして洗濯機を回すと、康孝が浴室に入って来た。
頭や身体を洗い合い、洗顔も済ませると、二人で湯船に浸かる。
康孝の腕に包まれ、康孝の指で甘い刺激を受けたが、のぼせる前に湯船から上がって浴室を出る。
タオルで身体を拭いて素早く着替えを済ませると、買ったばかりの歯ブラシをパッケージから取り出して、康孝と並んで歯を磨いた。
「サチはもう眠たい?」
「大丈夫だよ」
康孝の手を取って指を絡めると、一緒にバスルームを後にした。
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