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本日、2月4日は『世界対がんデー』です。
今回は、前々から書いていたお話しを、ちょっと纏めたいと思います。
コーヒーなんぞを飲みながら、のんびりお付き合いください。
毎年、2月4日は『世界対がんデー』(World Cancer Day)だということをご存知の方は、どれくらいいらっしゃいますでしょうか。
もともとは、欧州から発祥したものだそうですが、日本でもここしばらく、大々的に色々と宣伝されています。
私は、卵巣がんが発覚した時から、アタマが悪いなりに、色々と調べてみたり、主治医のA先生や看護師さん、抗がん剤治療時には外来治療センターに常駐している抗がん剤治療のスペシャリスト看護師さんなどから色々とお話しを聞いて、勉強させてもらってきました。
この『明るいがんサバイバー』シリーズも、気づけばページ数が重なりまして、ここまで書いてくることができました。
私が、これを書こうと思ったのは、
「自分自身が身をもって経験したことの記録代わり」
というのが一番なのですが、ほかにも、
「がんは、早期発見が大事」
「がんは、治療できる病気」
「治療の痛みや抗がん剤治療の経験は、他の人には決して、味わってほしくはない」
という考えがあったから……でもあります。
自分の病気のことを隠していないので、あっけらかんとしているように見えるらしいのですが、それでも、やっぱり、何年経とうとも、あの時の気持ちや苦しみ、悩みは忘れられないし、忘れてはならないことだとも思っています。
経験者にしかわからないのです、結局のところは。
あまり、自分のことを話すものではないといわれますが(苦笑)、でも、そこは私自身の考えです。こうして書くことで、少しでも、がんに対する考え方を変えて欲しいという、ささやかな気持ちもあったりします。
この本編の中でも書いていますけれど、口が悪い人からは、色々と言われております(笑)
決して、同情してほしいからではないんです。
生命に関わる病気だということを、少しでも理解してほしいのです。
もし、このシリーズを最初から読んだことがない方……いらっしゃいましたら、ぜひ、最初から読んでください。
私の場合は、またちょっと……とんでもない展開になっています。
今だから笑っていられるけれど、当時は、本当にとんでもない展開になっていて、下手すりゃ、命がなかったかもしれない…というところまで、自分を追い詰めていました。
民間療法やアヤしい薬などをちらつかせ、荒稼ぎする悪徳な業者も多いです。
ふだんは、私に話しかけてこない人が、甘い言葉ですり寄ってきたこともあります。挙句の果てには、宗教関連まで(笑)
ですが、私はそういった話しには、一切、耳を傾けませんでしたし、今後も傾けるつもりはありません。
にっこり笑って、バッサリ、斬りました。今後も斬ります。
きっぱり、お断りしました。縁を切った人もいます。
がんに限らずではあるとは思いますが……
「患者自身の気持ちの持ち方」
ということも非常に重要なことだと、私は思っています。
本当にこれ、重要です。
主治医、ご家族やパートナーとの話し合い、そして、患者自身の気持ち。
これらが相俟って、初めて、治療が進むものだとも思います。
私自身、主治医のA先生と話しをして、家族と相談し、治療することを決めていきました。
最終的には、当事者である私自身が決めることでもあります。でも、迷いはほとんど、ありませんでした。
それは、A先生と先生がいる病院に対する信頼というのも……あります。
今の病院と、A先生を紹介してくださった街の開業医・S先生には本当に感謝しています。
現在もA先生のところへ通院しています。
私が受けた治療は、いわゆる「標準治療」というものになります。
今の、医学界の中でしっかり、認められている治療法です。
私は卵巣がんでしたが、がんの箇所は様々です。身体中の、ありとあらゆる場所にできるものでもあります。
このシリーズで書かれているのは、私の場合のことであり、実際は千差万別で、治療法もその進行具合などによって、さまざまなものがあります。非常に個人差があります。
抗がん剤点滴のほかにも、放射線治療、血液を入れ替えるとか……医学は日進月歩ですからね。
ここしばらくの間に、有名人やスポーツ選手が、がんを公表することも増えました。
決して悪いことではないと思います。
こういうことを発表すると、必ず、揚げ足取りや悪態をつく人がいますけれど、そういう人たちには、
「自分が発症した時に泣きっ面、晒すなよ」
と、毒づきたくなるのは私だけじゃないだろうなぁ。
いまや、がんは、ふたりにひとりが発症し、三人にひとりが命を失うといわれています。言葉は悪いですが、ポピュラーな病気になっているとも思います。だからこそ、早期発見、健康診断、がん検診が重要なんです。
私の場合は、健康診断ではわからなかった(見逃されてしまった)……その後、随分と症状が進んでから発覚し、手術前には「とんでもないこと」=卵巣の片側を破裂させ(詳細は本編を読んでください)、死んでもおかしくない状況だったわけで……
よくまぁ、生きていたわ、ホントに
今回、掲載した画像は、すべて、私自身のものです。
一枚目の画像が、なんでセピア色になっているかというと、腕にぶっさした長い針の中に、血液があるから。さすがにリアルすぎると思ったので、あえて加工しちゃいました。手術前検査時のもので、CT撮影時、身体の中に造影剤を流し込むためのものです。
この時の気持ちは、今でも忘れていません。
不安で不安で仕方なく、でも身体中が痛みで悲鳴をあげている状態。混乱する気持ちのままで受けた手術前検査。だけど、この時、改めて覚悟を決めたんだと思います。
「死ぬまでお付き合いの病気になる。だったら、手術して、治療して、うまく付き合っていこう」
と。
手術前検査から、抗がん剤治療時のものを未だにスマホに残してあります。
スキンヘッドになっていく自分の写真もあります。ホント、最終的には、見事にスキンヘッドでしたからね~(笑)アタマだけじゃなくて、下世話な話し、全身の毛という毛が脱毛しちゃいます、はい。今も、毛髪は薄いし、美容院に行っている回数も、この4年で数えるほどしかありません(これも抗がん剤治療の副作用のひとつです)。
なかなか経験出来ないこと……というか、経験したくてしたわけじゃない、誰が病気になりたくてなるものか!
でも、私はそれらを逆に、楽しんでしまえという気持ちもありました。
それくらいの気持ちがないと、やっていられなかったからです。
だから、スキンヘッドになっても、ウィッグではなく、もともと好きだった帽子やワッチキャップ(医療用帽子)、ストールなどを何枚も購入して、それらを頭に巻いて、エスニック調の服とコーディネートして楽しんだりもしていました。
経過観察は、未だに続いています。
私の場合、経過観察は5年だそうです(あと1年半もある……)。
手足の痺れや関節の痛みは残っています。特に、指関節の痛みと指先の痺れはなかなかとれませんが、日常生活には支障はありません。
ですが、体調を崩しやすくなったのは否めず、また、今、爆発的に拡がっている新型コロナウイルスも非常に怖いもののひとつで、A先生からも、カゼをひかないこと、手洗い・うがい・部屋の換気、出かける際のマスク着用は厳命されています(まぁ、このあたりは抗がん剤治療中とまったく同じ)。
一度、抗がん剤という強い薬を投薬したため、感染症のリスクが非常に高いのです。これは、何年経っても気を付けないといけないことのひとつで、実際、経過観察中にカゼかなと思った時は早急に手を打ちますし、怪我をすると治りづらい(治りが遅い)というのもあります。
本当に怖いのです。
だからこそ、今の状況が早く、少しでもいい方向へ進展してくれることを願っています。
『明るいがんサバイバーのひとりごと』は、もうしばらく続きます。
まだ、書き残していることがあるからです。
よろしければ、お時間のある時に、コーヒーや紅茶などを片手にのんびり、読みに来てください。
決して、重苦しいだけの話しではないようにしていますが、内容が内容だけに怖い話ではあります。
「がんは、万が一ではなく、2分の1」
日本対がん協会のコピーです。
女性の場合は、子宮がん、乳がんだけではないんです。
卵巣がんというものもある……そのことも、もう少し報道してほしいなぁとも思っています。なぜか、卵巣がんについては、あまり取り上げられない気がするんだよねぇ。
どうか、みなさんもご自分を労わってほしい。
そして、がん検診、受けてください。
早期発見がカギです。
もうしばらく、『明るいがんサバイバーのひとりごと』、お付き合いくださいませ。
2021年2月4日 kanade☆奏/碧風 奏
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