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ほとんど昼食に近い時間に朝食を済ませると、私は届いた箱を抱えて自室に戻った。もしかすると、北井から何か連絡が入っているかもしれないと思って、スマホをチェックしてみたが、何のメッセージも入っていなかった。
実際、卒業後、北井とは連絡を取り合ってもいないし、もちろん、一度も会ったことがなかった。
ヤツめ。いったい何を企んでいるんだ?
そう思う一方で、告白されたときの北井の表情や仕草が甦る――
あのときの北井の目には深い情熱がにじみ出ていて、心なしか声も震えていたようにも思う。落ち着きなく手を握ったり開いたりして、それでもあまり重くならないように意識していたのか、告白の言葉を聞いて、驚きのあまり言葉を失っていた私に向かって冗談交じりに「まあ、俺様としては、いい返事をもらえなくてもだな、問題はないがね。それが俺様の強さだからな」などと言って、今ほど荒れてはいなかった私のおでこをパチンと指で弾いたのだ。
そんな北井が送ってきたものなのだ。中身が気にならないと言ったら嘘になる……。
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