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明日のことを思うと
ソワソワした。
「お母ちゃん、よろしくね。」
「その母ちゃんってのは、
彼氏の前で、
止めた方がいいんじゃない?」
「大丈夫!ヤツは、
全然、気を使わないもん。」
夕飯の支度を手伝いながら、
お母ちゃんと、
明日、家に来る予定の
彼氏の話をしていた。
父ちゃんも、
食卓で、マンガ読みながら、
その話を聞いてたはずだ。
「兄ちゃん達、遅いね?」
「静流が、めずらしく、
早いよ?」
と、お味噌汁を作りながら、
お母ちゃんが笑った。
私は、
レタスを洗って冷水に浸し、
その間、キュウリを切って、
サラダの準備をする。
「 黄助も部活か?」
と、父ちゃんが聞いてきたので、
「たぶん」
と答えた。
「明日も?」
「たぶん?」
父ちゃんは
それだけ、確認すると、
また、読みかけのマンガの
ページをめくり始めた。
素知らぬフリをしてるけど。
私の初めての彼氏話に、
耳はダンボだ。
明日、静流が、
彼氏を
我が家に連れてくる。
明日の、父ちゃんが、
どんな風になるか、
すでに、
兄ちゃん達の間で、
賭けの対象になっていて、
黄助以外は、みんな、私に、
裏工作をしかけてる
まったく、
人の恋をバカにしてんなーと
思いながら、
明日の父ちゃんを
想像して笑った。
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