P3

1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ

P3

❥❥» 明日のことを思うと ソワソワした。 「お母ちゃん、よろしくね。」 「その母ちゃんってのは、 彼氏の前で、 止めた方がいいんじゃない?」 「大丈夫!ヤツは、 全然、気を使わないもん。」 夕飯の支度を手伝いながら、 お母ちゃんと、 明日、家に来る予定の 彼氏の話をしていた。 父ちゃんも、 食卓で、マンガ読みながら、 その話を聞いてたはずだ。 「兄ちゃん達、遅いね?」 「静流が、めずらしく、 早いよ?」 と、お味噌汁を作りながら、 お母ちゃんが笑った。 私は、 レタスを洗って冷水に浸し、 その間、キュウリを切って、 サラダの準備をする。 「 黄助も部活か?」 と、父ちゃんが聞いてきたので、 「たぶん」 と答えた。 「明日も?」 「たぶん?」 父ちゃんは それだけ、確認すると、 また、読みかけのマンガの ページをめくり始めた。 素知らぬフリをしてるけど。 私の初めての彼氏話に、 耳はダンボだ。 明日、静流が、 彼氏を 我が家に連れてくる。 明日の、父ちゃんが、 どんな風になるか、 すでに、 兄ちゃん達の間で、 賭けの対象になっていて、 黄助以外は、みんな、私に、 裏工作をしかけてる まったく、 人の恋をバカにしてんなーと 思いながら、 明日の父ちゃんを 想像して笑った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!