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その日以降も真智子は洋太と一緒に入浴し、一緒にベッドで眠るようにしていた。
高校生と8歳の男の子。同じベッドで眠るのは別として、銭湯であれば洋太は女風呂へ連れて入ると咎められる年齢である事を真智子は知らなかった。
洋太にどこまでの性知識があるのか想像する以前に、そんな知識があるかもしれないという考えすら持っていなかった。
自分の行動を何も言わずに受け入れる洋太の姿を見て、少しずつ真智子は行動をエスカレートさせていく。
洋太が眠った後。ズボンをずらしてペニスを勃起させてみたり、射精しないまでも何かしらの反応があるのではとしごいてみたり、ペロリと舌先で舐めてみたり。
もし洋太が起きていたら何の言い訳も出来ない状況で、真智子は自身の知識欲を満たしていた。
洋太を抱き枕のようにして添い寝し、そのまだ細い太ももを股に挟むだけでドキドキとし、吐息の漏れる唇に吸い付いてドラマの真似事をしたりした。
洋太は何も気付いていない。当時はそう思っていた真智子だが、のちに社会人になってから付き合った男性からの体験談を聞いて背筋を凍らせる事になる。
「俺、昔姉貴におもちゃにされてた事があるんだよね。だから変な癖が付いちゃってさ……」
「変な癖?」
「そう。動いたら起きてる事がバレるから、完全に受け身になっちゃったんだ。自分から手が出せないというか……」
動いたら起きている事がバレる。つまり、あの時寝たフリをしていただけで洋太は起きていた可能性がある、という事にようやく気付いたのだ。
それから数年後、洋太が真智子の元に帰って来る事になった。
洋太の大学進学に合わせて、洋太の両親が海外支店への異動の打診を了承。
洋太は祖母のいる真智子の家から大学に通う事が、真智子の知らないところで決まっていたのだった。
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