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翌日からやや喋るようになった洋太。その様子を見て安心する祖母と真智子の両親。
夏休みなので真智子は洋太に付きっ切りで面倒を見ていた。リビングで宿題を広げ、洋太の宿題を見つつ自分の宿題も進める。
洋太は元々大人しい性格だったようで、あまり外で遊びたがらなかった。
母親として少し目覚めてしまった真智子は、自分の母親にせがんで料理を教えてもらう事にし、その姿を洋太に見せる事にした。
洋太は料理をする2人の背中を興味深そうに眺め、そしてすぐに手伝う事はないかとキッチンをウロウロし出す。
そんな姿を見て可愛いなぁとまた母性をくすぐられた真智子。
その日から拙いながらも2人で母親の手伝いをするが日課となった。
日中は宿題をし、夕方から料理の手伝いをし、そして家族で食卓を囲み夕食を頂く。
会話はまだそれほど多くないが、それでも少しずつ今の状況に慣れつつある洋太。
しかし、夜になり時間が遅くなるにつれてだんだんと口数が少なくなって行き、洋太はまたボーッとし出す。
昨日は1人で風呂に入った洋太だが、祖母が声を掛けても入ろうとしない。
昨日と一昨日は言われるがまま1人で入っただけで、いつもは洋太の母親と一緒に入っているのかも知れない。
そう考えた真智子は、洋太を風呂に誘った。
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