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5 あとがき
話は戻って改めて由比ヶ浜を覗く。色とりどりのヨット、波に乗るサーファーの人波・・・。
ここで鎌倉時代、何が起きたかを知る者は少ないようです。
しかし振り返ってみると謎の多い話であります。
父・頼朝はなぜ馬から落ちただけで死んでしまったのか?
和卿は大仏完成のあかつきには、船の修理代をもらっていたはず・・・。
和卿のような武骨で愛想のない人物がどうして実朝に会うや否や、涙を流したのか?
和卿ともあろう名大工が、浮かばぬ船など作るであろうか?
実朝は出世欲満々だったのになぜ右大臣になる前に宋へ渡ろうとしたのか?
実朝の弟・公暁はなぜ叔父の実朝を殺害したのか?
史実には謎が多いのですが、どうも母・北条政子と弟・義時の権力が絶大であったことは、確かなようです。いつも裏で北条の力が働いていることばかりなのでありました。
母・政子の理想とする政治。それは夫や息子たち源氏を殺してまでも、追い求めた狂気に満ちた信念だったのかもしれません。
今日び由比ヶ浜の砂浜で木片を見つけたらあの宋へ渡る朽ち果てた船に思いを馳せることもまた興味深いことかもしれません。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
参考文献・サイト
●神戸新大鑑 著者 片山章太郎
●愚管抄を読む 著者 大隅和雄
●考古歴史紀行 著者 久田巻三
●陳和卿 鎌倉手帳(寺社散策) yoritomo-japan
●ウィキペディア
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