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起きなくてはと思いながら、重い瞼を必死に開けようとするのだが、大きな手が私の頭を優しく撫でる。
その手がとても心地よくて、私はまた眠りについてしまった。
コーヒーの良い香りが、ゆっくりと私を目覚めさせる。
腫れた目を擦りながら、身体を起こすとぼんやりと辺りを伺う。
「ここは…っ」
二日酔いの重い頭を動かすと、昨日の出来事が鮮明に浮かび、顔を真っ赤に染めた。
身体も少し怠く、後ろも腫れているのか、ズキズキと痛む気がする。
ここから早く出ていこうと思い、何も身に付けていない身体を布団で隠すようにして、自身の服を探すが見当たらない。
「っ…社長には会いたくない」
そう嘆きながら恐る恐るリビングを覗くと、コーヒーを優雅に飲む社長とばっちり目があってしまう。
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