変わる関係

2/11
前へ
/76ページ
次へ
起きなくてはと思いながら、重い瞼を必死に開けようとするのだが、大きな手が私の頭を優しく撫でる。 その手がとても心地よくて、私はまた眠りについてしまった。 コーヒーの良い香りが、ゆっくりと私を目覚めさせる。 腫れた目を擦りながら、身体を起こすとぼんやりと辺りを伺う。 「ここは…っ」 二日酔いの重い頭を動かすと、昨日の出来事が鮮明に浮かび、顔を真っ赤に染めた。 身体も少し怠く、後ろも腫れているのか、ズキズキと痛む気がする。 ここから早く出ていこうと思い、何も身に付けていない身体を布団で隠すようにして、自身の服を探すが見当たらない。 「っ…社長には会いたくない」 そう嘆きながら恐る恐るリビングを覗くと、コーヒーを優雅に飲む社長とばっちり目があってしまう。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

195人が本棚に入れています
本棚に追加