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「おはよう雪 、身体は大丈夫か」
「っ私の服はどこですか」
布団をぐるぐる巻きにして芋虫のような私の姿に、社長は視線を上下に動かして観察すると、堪えられないかのように吹き出して笑う。
「ふっ、洗濯中だ
シャワーを浴びてこい、適当に服を置いとく」
社長に笑われて、恥ずかしくなり私は逃げるように風呂場に入る。
温かいシャワーを頭から浴びている最中も、昨日のことを思い出してしまう。
「私は社長と…」
あんなにも強引な社長は初めてで、とても怖かった。
しかし、なぜか社長のことを嫌いになれない自分がいて戸惑う。
シャワーから出ると、いつの間にか置いてくれた社長の部屋着に腕を通す。
「この匂い」
社長の匂いに包まれてなんだか安心する、そう思ったのを首を大きく左右に振り、否定する。
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