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「美味しい…」
野菜のオムレツを一口食べて、思わずそう言ってしまった。
「良かった、いっぱい食べて」
社長は微笑むと、私が食べる姿を嬉しそうに見つめている。
ゆったりとした雰囲気に居心地の良さを感じながら、土曜日の朝は過ぎていった。
いつものように早めに会社に着くと、まるで待っていたかのように同期の加藤と出会った。
俺を心配するラインが何度も加藤から届いており、返信はしたのだが、直接様子を見に来たみたいだ。
「おはよう雪、あの後大丈夫だった」
「おはよう加藤…う…ん」
ストレートに聞かれると、少し困ってしまうが正直に全てを加藤に話してしまうと、社長に迷惑がかかる。
なんとも言えない空気が私と加藤の間に流れ、気まずくなる。
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