1. 物憂げなたまご

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それから毎日のように 彼女のルームに 入り浸った 執拗にかまって もらいたがったり 深く潜っていたり 潜って居ると彼女が 「たまごちゃん居る?」 と問いかける ハンドルネームは 黒いたまご 素っ気ない コメントを返す 心とは裏腹 彼女に呼ばれると 天にも昇る気持ちなのに 別にプライドが高い 訳でもない 他のリスナーから 恋してると揶揄される そんな時 否定も肯定もしない つけ込まれるのは ゴメンだ ましてや恋ってなんだ? 僕はこれまで 恋というモノを した事が無い 他人にあまりにも 無関心だから ただ アリサが僕に 呼びかける時 アリサが歌う時 強く思う ここには 僕が生きている 価値がある
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