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「配信してみたら？」
アリサが休みの日だけ
配信した
勉強机の手元だけ
映るように
カメラを固定する
お気に入りの歌を
リピートする
課題をやったり
プラモデルを
作ってみたり
何の面白みもない配信
でもそこそこ人が
やってくる
ここで雑談するのだ
たわいもない
日常会話に
飢えている人の
コミュニティ
配信を続けていると
アリサやリュウヤなど
馴染みのある
ハンドルネームが
集まるように
なっていた
樹脂粘土で
キーホルダーを
作っていた
端を削る為
ナイフを取ろうと
ふとモニターをみる
リュウヤ:アリサ！大好き！
アリサ:リュウヤくんすきだよ
僕の配信
『君が居ないから』
僕の配信
『僕には君が足りないのに』
会いたいと思った
事はある
でも
『これはリアルじゃない』
そう言い聞かせていた
『境界線を越えてはいけない』
そう言い聞かせていた
『でも僕には君が足りないんだ』
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