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おまけ
必要なものが引越屋により運び出されて、中途半端な物置みたいになった自室を、物集高記は見回した。
「これでよしっ」
忘れ物がないか、最後の確認をする。
車のエンジンをかけた母親が、外から呼んでいる。早くしないと新幹線に遅れるぞと。
「今行くよ」
早歩きで物集は仏間に行くと、仏壇に手を合わせた。
「じゃあおばあちゃん、いってくるわ。ごめんね、寂しい思いさせるかもしんないけど、僕は自分に正直にありたいから」
大学を出て家庭の事情で帰省したものの、やはりやりたいことを諦められなかった。
「よしっ、行くぜ文夏社」
己に精一杯の気合を入れて、物集は家を出た。
to be contenued……
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