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「あ〜ごめん、要。早かったね…綺麗にしてくれたの?ありがとう…」
遅れてやって来た博士が持っていたビニール袋を受け取って、中からしゅうの大好きだった牛乳寒天を取り出して花束の隣に供えた。
「今回は間違えなかったね。」
「そりゃあ、あんだけ念押しされればね…」
その後、博士が持ってきたトランプを二回やった。二人だけのババ抜きは早く終わってしまい、神経衰弱は途方に暮れた。
やがて遠くから町役場の夕方のチャイムが聞こえて、お開きとなった。
帰り際に、博士が持ってきたタッパーに半分だけ牛乳寒天を移すと、残りの分を手土産にくれた。
「気をつけてな。お父さんとお母さんによろしく言ってな。」
「はい…じゃあ、また来月に。」
家に帰ると急に寂しくなって、俺はベッドに潜った。
「大丈夫。大丈夫…俺は大丈夫…」
そう言って、俺は目を閉じた。
しゅうに会いたい。
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