最高の一瞬を求めて

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 あ、ほら。  今すれ違った女の子二人組だって、碧葉くんのこと見てるよ。  「今の人めちゃかっこいい!」「えーでも彼女持ちみたいだよ、残念」なんて声も聞こえてきた。  ――私、こんなにかっこいい人の彼女でいいのかなってたまに少しだけ思うことがある。  でも碧葉くんは、私のそんな小さな不安なんてとすぐにかき消してくれる。  こうして手を握って、時には抱きしめてくれて、「好きだ」って、毎日のように言ってくれて。  その度に私は幸せな気分になるし、また撮影を頑張ろうって気持ちになる。  大好きな人がそばにいる毎日は、何もかもがキラキラと色とりどりに輝いているように見えて。  何気ない日々が本当に楽しくて、充実していて、幸せだ。 「それにしても、俺かっこいいなやっぱり」  自分が映った私の映像を見ながら、碧葉くんが真顔で言う。  その言いぶりは、冗談ではなく、本気でそう思っている。 「それは撮影した私にとっては最高の誉め言葉だけどさ……。相変わらず自信家だね、碧葉くんは」  私は少し呆れたように言った。  本当にいつも自信満々なんだから。  そんなところも好きだけどさ。 「莉依だってそう思ってるくせに」 「……そりゃ、思ってるけど」  ――そうだよ。  私はかっこいい碧葉くんを偶然見かけて、次の瞬間すぐにあなたにこう言ったんだから。
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