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――私が碧葉くんを好きとか、彼に恋をしているかとか。
もちろん私のとってはそれもとても大切なことだ。
でも、もしこの恋が実らないとしても、碧葉くんという最高の被写体だけは、絶対に世に残さなければならないと思った。
映像カメラマンを目指す私にとって、それは使命とすらと思えた。
彼は黙ってじっと私の話を聞いているようだった。やはり何も言葉は返してくれない。
勢いに任せて言いたいことを言い終えた私は少し不安になってしまう。
「えっと……。だからその、もしよかったらなんですけど……。スケボー部のマネージャー続けられないかなって……。今度は、正式に。あ、いや、碧葉くんが邪魔って言うなら、その……諦め、ます……」
話しているうちに、どんどん自信がなくなっていってしまった私は、言葉が徐々に小さくなってしまった。
碧葉くんは表情を変えずに相変わらず私を見ている。
そ、そろそろなんか言って欲しいんだけど……。
私は恐る恐る彼を見る。
――すると。
「マネージャーなんかじゃ、嫌だ」
不機嫌そうに言う碧葉くん。私は一瞬で絶望にたたきつけられる。
でも、彼の言葉をよく考えてみて、疑問が生まれる。
彼は「マネージャーなんかじゃ」と言ったんだ。
「マネージャーなんか」って。
「どういう、意味……?」
碧葉くんは少し怒ったような顔をして私を見る。
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