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でも自分が二位だったことを改めて突きつけられた気がした私は、まったく周りのことなんて見ていなかった。
「えー! 何してんの莉依! あんなにかっこいい人と一緒に並べたくせに! 」
「はあ……」
「まったく。本当に映像を撮ること以外、興味ないんだから莉依は! 彼も二位だったし、『あ! お揃いだね~』なんて、私だったら話しかけるよ! 絶対!」
ふうん。その人も二位だったんだ。
悔しかったのかな。
それとも二位で満足してるのかなあ。
なんとなく、スケボー部について知っていることをぼんやりと思い出してみた。
うちの学校の隣には、海浜公園に隣接した大きなスケートボード場がある。
競技としてのスケボーの国際的な基準も満たしている場所らしく、大きな大会もよく行われている。
そこで日々練習をしたり、大会に出たりするためか、今年の一年生にはふたりもスケボーの有力選手がいる。
スケートボード場で日々練習したいがため、わざわざ遠くから引っ越してきたんだとか。
そしてそのふたりは国際大会も狙えるレベルの実力者らしくて、学校は急いでスケボー部を新設した。
さらにそのスケボー部の一年生男子が、ふたりともすごくかっこよくて、一年生のみならず、私たち二年生や三年生の先輩女子たちからも、黄色い声を浴びせられているんだって。
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