言うこときけって、どういうこと!?

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「うん、また明日ね」  美菜は涼くんに走り寄っていった。  ふたりとも、満面の笑みを浮かべながら楽しそうに会話を始めた。  二年生になって涼くんと付き合い出してからは、美菜は彼と一緒に登下校している。  私はひとりでいることを苦痛に思うタイプではないので、別にそれについてはまったく不満はない。  まあ、ちょっとだけ「いいなあ」とは思う。  でもやりたいことで日々忙しく、他のことをする時間がない私にとっては、まるで別世界の少女漫画のような出来事のように思えてしまう。  ひとりでトボトボと校門を出てから、一度家に帰って映像データの整理をすることにした私は、通学鞄から愛用のビデオカメラを取り出した。  ビデオカメラを撫でながら、そしてまたため息。  ごめんね、二位しか取れなくて。  もしお父さんだったら、誰にも負けないような素敵な映像を撮るんだろうな。  このビデオカメラは、私が中学生の時に亡くなったお父さんの形見だった。  お父さんは、動物や自然のドキュメンタリー専門のカメラマンだった。  テレビや映画でも、お父さんの撮影した映像がよく使われていた。  お母さんも私も、お父さんが撮る映像が大好きだった。  行ったことのない場所でも、そこの匂いや音が感じられそうなリアルで美しい、躍動感のある映像が。
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