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「おはよう明日美ちゃん。わあ、今日のシフォンブラウス可愛い! くすみピンクの色もいいね」
「あ、透子さん。これ昨日、仕事帰りに衝動買いしちゃったんです。でも私がこんなの、おかしくないですか……?」
尋ねると、透子さんはちょっといたずらな目をして私の耳元に口を寄せた。
「よく似合ってるわ。くすみカラーがかえって明日美ちゃんの肌の綺麗さを際立たせてる」
あああ褒め殺し! お巡りさん、ここに殺人犯がいますうぅぅぅ!
「それに、シックなラップスカートの組み合わせも素敵。明日美ちゃんってセンスいいよね」
連続殺人――!
「あぁ……。だ、誰か通報……」
「ん? ツーホ?」
「いえっ! ありがとうございます。あ、例の見積り、最終チェックしてメールしておきましたから」
「わ、助かる。じゃあ打ち合わせ行ってきます」
「いってらっしゃい。頑張って」
最近なんだか仕事も楽しくて、自分に出来る事を探して取り組んでる。大好きな透子さんの補佐だからかな?
鼻歌交じりで自分のデスクに戻ると、ちょうどPCのメール画面にメッセージが現れた。
ぴろりん♪
【今日のメシ会はどうするんですか?】
隣を見ると、なんとなく不機嫌そうな洸くんが自分のデスクのPC画面を睨みつけている。
「なによ、隣同士でメールなんて。いつもは普通に話しかけてくるじゃん」
すると彼は私の声を無視して、またカタカタとキーボードに文字を討ち込む。
ぴろりん♪
【別にイイじゃないすか、メールでも】
「……は?」
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