プロローグ

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その日、私は夫と息子と一緒に種子島宇宙センターを一望できる『ロケットの丘』に居た。 既に夜の帳が降りて真っ暗になった視界の一角に眩しいライトに照らされた発射台と流線形の宇宙船が輝いている。 その宇宙船の真っ白な機体を見ながら、私は感激していた。 夫の翔は、日本初の有人宇宙船『ホープ』の宇宙飛行士に選抜され、明日の打ち上げに向けて、本当に苦しい訓練に耐えて来た。 その彼の才能と努力の成果が、いよいよ明日の打ち上げで試されるのだ。
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