プロローグ

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「そうだ。パパは、あの宇宙船で……」 そう言いながら翔は右手を大きく上方に振り上げた。 「あの星々が輝く……宇宙へ行くんだ!」 息子の翔二は翔の指さす夜空を見上げた。私も顔を上に向ける。 そこには満点に輝く数万の星々が頭上一杯に広がっていた。 「わぁー、綺麗!」 私がそう声を上げると、翔は右手で翔二を抱えながら、左手で私の肩をギューっと抱きしめてくれた。 私がハッとして翔を見ると、彼は柔らかな笑顔で私を見つめている。そして私の頭を愛おしそうにポンポンと叩いた。それは私達が付き合っている時からの彼の愛情表現の一つだった。
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