サービス接遇編 chapter01 サービススタッフの資質-必要とされる要件-

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サービス接遇編 chapter01 サービススタッフの資質-必要とされる要件-

「あーざーす」 「…」 「おお!真琴じゃないか!!買い物か!?」 「部長さん!」 「何だか浮かない顔して店から出てきたみたいだが、どうかしたか?」 「気にしなければいいって話なんですけど、ここのコンビニの店員さんの対応が、とってもテキトーに見えてしまって…」 「最近入った新しいバイトの人のことだよな…」 「俺も、真琴と同じこと思ってたぞ…」 「コンビニって、時給が必ずしも良い訳じゃないし、贅沢は言えないかもですけど、できれば店員さん全員が『誠実な対応』を心がけて欲しいと、私は思うんです!!」 「そうだよな!『マニュアル通りにやってます!!』ってアピールするような対応は嫌だけど『接客に真面目であること』は、コンビニやスーパー、デパートの店員さんに必要なことだと俺も思う」 ***  「明るさと誠実さ」は、サービス接遇の第一要件とも言われていて、特に「誠実であること」が重要であると言われています!  また、誠実さの基準とは、煉君(部長)が言っている「真面目であること」は当たり前のことで、目の前のお客様の気持ちに触れることができる態度・言葉遣い・言い方を心がけ「普通のレベルを超えたサービス」を提供することが重要なのです。  サービススタッフに必要とされる要件その1は 「明るさと誠実さを備えていること」 なのです!! *** 「あっ!!」 「今度はどうしたんだ!?真琴!」 「おにぎりを温めてもらうの、忘れてました…」 「他の店じゃ、必ずレジで「温めますか?」って聞かれるじゃないですか!」 「でも、さっきの店員さんは聞いてくれなかったし、店員さんの対応ばかり気になっちゃったものですから「温めて下さい」って言いそびれちゃいました…」 「『客のために』って気持ちが全くない接客だから、おにぎりを買った真琴が「この後すぐに食べるのか」「このおにぎりは温かい方がおいしいか」なんて気配りができてなかった、ってことだよな…」 「まぁ、おにぎり自体、冷たい状態でも美味しく頂けるように製造されていますから、今日は我慢しますけど、できれば温かいおにぎりを食べたかったなぁ…」 「ずいぶんとひどいコンビニ店員に接客を受けたみたいだな…」 *** 「こちらのおにぎりは温めますか?」  こうコンビニの店員さんから言われたことはないだろうか?  真琴さんが言っているように、おにぎりは冷たい状態でも美味しく食べれるように作られています。  でも、家庭のレンジの数倍の威力を持つコンビニの業務用レンジなら、ものの10秒足らずでおにぎりを温めることができます。  煉君(部長)が言っていた「お客様のために」という意識が働いていれば、おにぎりを購入した真琴さんを見て 「この人はすぐにこのおにぎりを食べるかも知れない」 「おにぎりはコンビニのレンジですぐに温まるものだから、お待たせすることもない」 「温めるかお聞きしよう」 という気遣いが出来たはずです。 サービススタッフに必要とされる要件その2は、このような 「適切な判断と表現を心得ている」 ことなのです!! *** 「…あっ!お姉!それに煉先輩!こんなところでどうしたんですか?」 「いや、今このコンビニの店員の接客が酷いって話をしていたんだ!」 「それって、なんかとってもラフな格好にネックレスをしている、チャラチャラした大学生風の男の人のことですか?」 「美琴!あなた、その人のこと知ってるの?」 「ここで私の友だちがバイトしているから、その友だち経由で少しだけ…」 「そうだったのか…で、美琴の友だちは、その大学生風の店員のことを、どう言っていたんだ?」 「なんか、接客態度も良くないみたいで、身なりもそんなんですから、お客さんからもクレームが入っているみたいです…」 ***  コンビニに限らず、サービススタッフの身だしなみは、常に客から見られています。  故に、多くの接客サービス業では制服が設けられ、スタッフの格好によってお客様からのイメージが変動してしまうことを防いでいるのです。  また、身だしなみには「服装」以外にも「言葉遣い」「態度」が含まれており、身だしなみを整えるということは、服装を整えることに留まらず、自らの「立ち居振る舞い」を正すことでもあるのです。 サービススタッフに必要とされる要件その3は、このように 「身だしなみを心得ている」 ことなのです!! *** 「でも、その友だちも「悪い人じゃない」って言ってましたから、あと数日もすれば、接客対応も良くなるんじゃないですか?」 「そう願いたいわね。」 「ここは、学校から一番近くにあるコンビニだから、いつも気持ちよく使いたいわ!」 「まぁ、美琴の友だちの言うことが正しければ、数日内にはその店員の対応も変わるだろう!」 「そうですね!次来た時も「おにぎり温めますか?」って聞かれるか、わざと黙っていてみます!」 「そんなこと言ってると、また忘れられちゃうよ、きっと!」 「そうかも知れないわね!!」  数日後、真琴がこのコンビニに足を運ぶと、その店員の接客対応は見事に変わっていたのでした。  ちなみに、身だしなみについては… ・プレスの利いたスーツや淡い色のブラウス ・オーソドックスなスタイルのスーツ ・機能的な服装スーツ、中ヒール程度の靴 ・自然で健康的な感じのする薄化粧が基本 ・アクセサリーはシンプルなデザインのもの ・長い髪の毛は手入れを行き届かせてまとめる ・正しい言葉遣いと礼儀作法 ・明るい表情と軽快な感じの歩き方 などが求められるようです。  参考になさって下さい。 chapter2 に続く -検定問題にチャレンジ!!- 食品売り場担当になった大淀真由美はチーフから、お客さまが感じの良い店と思えるような身だしなみを意識することと、次のような指導を受けた。中から「不適当」と思われるものを一つ選びなさい。 (第35回 サービス接遇実務検定3級 問題より) 「1.食品を扱っていると着衣を汚しやすいので、汚れたらすぐに着替えること。」 「2.手が荒れていると清潔感を損なうので、まめに手入れをして手荒れを防ぐこと。」 「3.強い匂いの化粧品は食品売り場にそぐわないので、化粧は必要だが匂いに注意すること。」 「4.体調を崩したときは不健康な顔色になるので、顔色を隠すために大きめのマスクをすること。」 「5.売る人の表情が暗いと食品も美味しさを感じさせないので、明るく振る舞うことも身だしなみと考えること。」 「不適当」なものは… ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 「4.体調を崩したときは不健康な顔色になるので、顔色を隠すために大きめのマスクをすること。」 -解説- 「食品売り場担当には、食品の安全性とおいしさが感じられる明るく生き生きとした表情や身だしなみが求められます。不健康な顔色で大きめのマスクでは、顔を隠すようなことになり、むしろ感じが悪くなってしまうので不適当ということになります。」
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