あなたは私の……

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 あれから少しだけ私はおかしい。  「なんか穂音ちゃん、最近冷たくない?」 下校の時、待ち合わせ場所の花壇の前で私を見つけた明桜がいつもの様に抱きついて来るのをかわしてしまい、不可解そうに明桜に言われた。  明桜は心を許した相手へのスキンシップが多い方だと思う。 これまでだって、私だけじゃなく友達に抱きつく姿を何回も見ている。 だから明桜にとっては日常の行動なんだけど……。  「そんな事ないよ。でもほら、学校では流石に、ね。からかってくる人達もいるしさ」  「えー。今まで気にしない、って言ってたのに。変なの」 明桜は納得できないとでも言うように唇を曲げた。  「まあまあ、いいじゃん、ほら帰ろ」 何だかバツが悪くて、先に校門に足を向ける。  すると顔にポツっと生暖かい物が当たった。  「雨だ。降って来ちゃう。明桜早く行こ」  私達は二人、小走りで家を目指す。 でも雨はどんどん強くなり、学校で待たなかった事を後悔した。  「夕立だあー、穂音ちゃん、ちょっと雨宿りしよ」  明桜の案でいつもの星見の公園に入る。 すぐ右に屋根のついたベンチがあるのだ。  「もうベッチャベチャだね。夕立ちなんて聞いてないし。穂音ちゃん寒くない?」  「私は大丈夫。それより明桜は大丈夫?めっちゃ濡れてる……」  「そんな事な……へくちっ!……ごめん、前言撤回……」  鼻を擦って赤くする明桜は私が良く知っている「可愛い明桜」で、なんだかホッとした。 私はスカートのポケットからハンカチを出して明桜の濡れた頬や髪を拭った。  明桜は私にされるがままになりながら鞄からスマホを出した。  「あー、天気予報やっぱり完全なゲリラ豪雨だって書いてある。暫くやまないみたい。仕方ないなあ」  ため息をついたメイサはスマホをカバンに戻すとゆっくりと目線を上げる。 目線はまず私のお腹の辺り。 それから胸の辺り……に来て、ギョっとした表情をしてから気恥しそうに目を逸らした。  「…ちょ、穂、のんちゃん……」  「?」 明桜が見ていた、セーラー服のリボン辺りを見る。  「あ」 セーラー服が雨に濡れて透けている。 幸いにも下着の柄までハッキリとは見えていない様だけど、胸の形がなんとなくわかる程度には透けていた。  「まあ、鞄で隠せばいいっしょ━━━って、わっ!」 私が言い終わる前に、一瞬視界が黒くなった。
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