世界の終わり

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世界の終わり

誰だろう? 今日、世界が終わるんだなんて言ったの。現在、ミサイルが灰色の空を飛び交い、僕の家の窓ガラスには爆風でひびが入っている。僕はひびに粘着テープを貼り、部屋に入ってくる風をしのいでいる。 「ねえ。舞。窓のひび、どうにかしなくっちゃな」 舞はくすりと笑って、 「それ、今日に言う?」 と言った。 「今日だからこそ言うんだよ」 「なんで」 「最期の日なんてそんなものさ」 舞は、台所に立って、朝ご飯を作っていた。とんとんと一定のリズムで舞は大根を切っている。僕がリクエストをしたふろふき大根だ。僕が、 「今日の朝、ふろふき大根食べたい」 と言ったら、舞はため息をついて、 「大根を買うのも、スーパーマーケットは潰れてるし、そんなの簡単に作れるわけないでしょ」 僕がそれを聞いて、隣の農家のおじいさんの畑から、表面だけ焦げた大根を抜いてきた。おじいさんはもう死んでいる。 「ほら」 と言って、大根を舞に手渡した。舞は大笑いした。。 「なんとかなるんだよ」 僕が言うと、 「貴方の言うことはなぜだか説得力あるのよね」と舞は大根の泥を払う。 「これならいけるっか」 「うん。ふろふき大根がいいな」 「いいわよ」
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