2.転校生

5/9
前へ
/340ページ
次へ
数学の勉強が終わり「一緒に帰ろ」って   道具を鞄にしまいながら僕を見た君。 余りに息苦しくて ーーこれが恋なのかも…     そう思った。 「家どこ?」 「古河町ってとこ」 「川向こうの?」 「そう」 初めて君を見た道を今度は   二人で肩を並べて歩く。    不思議な感覚と a88d7ad8-ca22-465a-a137-fe209e7781fa 「素朴で清楚」って花言葉の ヒメジョオンに埋もれた土手と   空の間を渡った風が    君の香りをまるで   贈り物のように僕に手渡した。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加