2.転校生

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君が住む町は僕のところの隣町。 「ここなのうち」 町では有名な立派なお寺の前で立ち止まって   空に浮かぶ雲でさえも映しそうな    澄んだ目で僕を見つめた君。 「結構近いんだね」 「ん?何が?」 「僕の家と」 「神尾くんの家って?」 「はら、橋の向こうに煙突見えるやろ?」 「うん」 「あの煙突の下くらい」 「そうなんだ」 「うん」 夕闇が二人を包んで    その場に立ち尽くす僕は   このまま時が止まれば良いのにーーー  確かにそう思った。 「今度、うちに遊びに行ってもいい?」 その言葉に時だけじゃなくて   僕の思考までもが動きを止めた。 「あ、うん」
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