1.プロローグ

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 東京のど真ん中のお城のような   白い建物での葬儀が始まって1時間。    500人以上の参列者の中の一人。      それが僕。    見すぼらしいスーツで、      見すぼらしい泣き顔。 周りからはすすり泣く   若い女性の悲痛な叫びが  僕の聴覚を刺激して放すことはなかった。 祭壇いっぱいに飾られた   真っ白な菊の花の中央に   鎮座(ちんざ)した大きな額に納められた         可憐な女性がこの式の主役。 そんな夢を見たーーーー。
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