♯1.男はエネルギー源だが、見る目を養え。

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 怪訝に眉を寄せるおばあちゃんを見て、私はスッと彼女を指さした。 「リリーさんだよ? えっと、確かね。……二十年ぐらい前に」  ニッコリと笑った私を見て、おばあちゃんは腕を組み、ウーンと唸った。 「……アタシ、そんなこと言ったかな? 記憶にないよ」 「歳だからだよ」  私の放った失言に、おばあちゃんがカッと目を見開いた。  ーーヤバっ。  私は通学鞄を手に一目散に駆け出した。 「コラー!! 深緋(みあか)ッ!! 帰って来たらタダじゃおかないからねーっ!?」 「行ってきまーす!」  焦げ茶色のローファーに足を突っ込むと、それまで玄関先を箒ではいていた家政夫のスグルくんが苦笑いしながら手をあげた。 「行ってらっしゃい、深緋ちゃん」 「うんっ、リリーさんのことよろしくね?」  やんわりと笑うスグルくんに手を振り、駅までの道を徒歩で進む。  今日も私のおばあちゃん、は絶好調だ。  私よりは生きているはずだが、見た目年齢で言えば
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