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プロローグ
ここはC県の山中にあるとある剣道場
日夜、多くの門下生達が全国大会優勝を目指して練習に励んでいる
そして、この道場で最も実力のある男女の
名前が七原冬夜(ななはらとうや)と立花刀亞(たちばなとあ)である
この2人は毎日剣道の練習に励み、全国で2人の名前を知らない者は居なかった
そんな彼ら2人の人生を大きく変える出来事が起こるとは、2人は思ってもいなかった
この日、冬夜は遅くまで練習をしていた
冬夜『今日はこれくらいにしておくか。』
冬夜が制服に着替え、帰りの準備をしていると
ピトッ
冬夜の頬に冷たい感触が走る
冬夜『冷たっ!何だっ!?』
冬夜が振り返るとそこにはニヤニヤしている刀亞の姿があった
刀亞『おつかれ〜冬夜!』
冬夜『なんだ。刀亞か。』
刀亞『なんだ。とは何よ!失礼ね!
せっかく、飲み物を持ってきたのに!』
冬夜『悪かったって。ありがとうな。』
刀亞『解れば良いのよ。解れば。』
冬夜『......』
刀亞『...いよいよだね。全国大会。』
冬夜『そうだな。俺たちが出られる高校生活最後の全国大会だな。』
刀亞『絶対勝って、あたしと冬夜で2人揃って優勝するわよ!』
冬夜『刀亞なら問題無く優勝出来るさ。』
刀亞『なに?冬夜は自信無いの?』
冬夜『そりゃあ、優勝はしたい。
いや、するつもりさ。
でも、世の中全部が上手くいくとは限らないだろ?』
刀亞『やる前からそんな事を考えてたら、
本来の実力なんて出せないわよ!』
冬夜『でもな...』
刀亞『もういいわよ!冬夜のバーカ!』
刀亞は不機嫌気味にその場を後にした
冬夜『俺は物事を客観的に見てるだけなんだけどな...本来の実力か...』
冬夜が道場で考え込んでいると、道場の外
から眩い光が差し込んでいる事に気がついた
冬夜『なんだ...この光は...』
冬夜が道場の扉を開けると、そこにはいつも見ている山の景色ではなく、見渡す限りの
平原が広がっていた
冬夜『ん...ここは...何処だ?』
冬夜は慌てて道場に戻ろうと振り返るが、
あったはずの道場が無くなっていた
冬夜『そうだ!刀亞は?!』
冬夜は周りを見渡したが、刀亞らしき人影は見つからなかった
冬夜『いない...か。』
冬夜がふと視線を下にずらすと、ある物に目が移った
冬夜『これは...刀亞の持ってたキーホルダー...
まさか...刀亞まで。』
冬夜『刀亞っ!何処だ!刀亞っ!!!』
次回
一章 一節 冬夜と刀亞
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