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或る日、お父さんは急性下痢で自分の部屋から慌てて飛び出してトイレに行った。ドアをあけっぱなしで。僕は偶々廊下で目撃したんだ。で、お父さんの部屋から女の人の声がするから僕はあれっと思ってお父さんの部屋に近づいて行った。そしたら何かアンアンアンアン言ってるから何だろうと思ってお父さんの部屋に入って行ったらパソコンの画面に男の人と女の人が素っ裸で絡み合ってて何か不思議なことをしてる動画が映ってたんだ。僕、それ見て閃いたんだ。実は僕、こないだお父さんに僕って何処から生まれて来たのって聞いたらお父さんがお母さんからだよって言うからお母さんの何処から生まれて来たのって聞いたら今度は答えるのに困っちゃって何か有耶無耶にされて分かんなかったんだけど、何か分かっちゃったんだ。そっか、これって動物の交尾と一緒で子作りしてんだ・・・だから動物と同じようにあの股の間の割れ目から・・・と僕が思っていると、お父さんが戻って来て、「あっ!しまった!」と叫ぶや、急いでパソコンに駆け寄って動画を消しちゃった。
「翔太!見ちゃったか!」
「うん。」
「ど、どう思った?」
「人間の交尾だと思った。」
「そ、そこまで分かったのか?」
「うん。」
「ませてるな。」
「・・・」
僕はその言葉の意味が分からなかった。
「ま、兎に角だ、このことはお母さんには絶対内緒だぞ!」
「何で?」
「何でも糞もない。絶対内緒だぞ!いいな!」
「う、うん・・・」
お父さんが全く強制的な態度だったから僕は委縮して従うしかなくなった。
この出来事は僕の心の中にいつまでも残ることになった。
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