それぞれの営み〜看取り屋

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二郎の父は2年前に他界していた。 二郎はチャーハンを食べた後自分の部屋で寝ていた。 「母さん…父さんに手を合わすの忘れてたよ…」 二郎はスーパー銭湯に向かった。身体を洗い湯に浸かっていると… 「パッちゃんか?懐かしいな…」 「ハイグーか?元気か?」 二郎は子供の頃泳ぎがダメで、みんなが泳いでいる時にビート板でバタ足をパッちゃん、パッちゃんとやっていたのでそう呼ばれていた。 ハイグーは空手をやっていて、手を上げる時にグーで拳を上げていたので、ハイグーと呼ばれていた。 二郎は東京でサラリーマンをしていた。ハイグーは若い頃紆余曲折あり、今はマッサージ師をしている。 二郎はハイグーに、母さんのマッサージをしてもらうことにした。風呂を出てハイグーの車で実家に向った。 …背中をもんでいる時、「だいぶ凝ってますね…呼吸が浅いのかな…ストレッチをして、深呼吸をするといいですよ。腰も凝ってますね…散歩とか日課にするといいですよ。」 帰り際にハイグーが二郎に要介護認定を受けたほうがいいかも知れないね…と言っていた。二郎はハイグーにちょっと多めに施術料を払い、1週間に一度母さんのマッサージをして貰うことにした。
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