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「あぁ...もう...(涙)」
近くの電化製品の量販店まで、トボトボと歩いていった。
帰りに袋を掲げた春呼がマンションの玄関口に入ると、そこにはちょうど生田がいた。
「あっ!生田くん!」
「は、はい...」
勝手に年下扱いするんじゃない、春呼よ。
年下かもしれないが...。
「ちょっと来て!」
「は、はぁ...」
生田の手首をつかみ、スタスタスタスタッと足早に自分の部屋まで連れていくのだった。
「え...えぇっ!?」
生田は、おどおどしている。
「大丈夫よ!襲うわけじゃないからっ!!
取って食ったりしないわよっ!!」
「は...はぁ...」
「見て、この通り。ライトがつかないのよ...だから、これ。買ってきたんだけど、お願いできる?」
「は、はぁ...しかし、このようなサービスは業務外なのですが...」
「えぇっ!?そんなケチなこと言わないでっ!ねっ!?」
「は、はぁ...」
春呼の勢いに負け、渋々生田は、ライトを変えてくれた。
「ありがとねっ!!」
「はぁ...あの、本来は適用外なので、今後はきちんと管理会社の方へ、オプションサービスとして、申し込んでいただくようにしてください。よろしくお願いします」
「.........」
「では、失礼します」
バタンッと扉を閉め、そそくさと去っていく生田であった。
「もぅ、ケチねぇ~、てか、そんなオプションサービスなんてあったっけ...?
まっ、いっか!直ったことだし!」
相変わらず、マイペースな春呼だった。
少しは気にしろよ...。
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