34人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、ここにも一人。
この法令に大反対な女性が。
大手企業に勤める29歳独身、
一ノ瀬 春呼(いちのせ はるこ)である。
「あっあぁ~っ!!疲れた...!!
もう、ほんと部長、私をこき使いすぎよ...。まぁ、おかげさまでビールがうまいっ!!
け~どねっ(笑)ケラケラ~っと」
ビールを片手に、フラフラ~っと自宅に帰る様子のOL。
「ほんっとにやってられないわよ...
なんなのよ、あの法令は...!格差婚っ!?
なんじゃそりゃっ!!
こんっなにストレス溜めて、なんとか頑張って、本当にやっとのことで稼いでるのに、貧乏人のメンズとしか結ばれないなんてっ...
うぅ...ううぅ...(涙)」
ビールを持つ反対の手には、バッグを肘にかけながら、髪の毛をかきあげ泣いている。
「やってられなぁーーーーいっ!!!」
天に向かって両手を広げ、叫んだ三十路手前のこの女。
Theoryのグレーのパンツスーツに身を包み、Cartierのタンクの腕時計を着けた手にはCELINEの黒のバッグを持っている。
そして、足元はChristian Louboutinの黒のパンプスだ。
いかにも高級品ばかりを身に付けている。
髪の毛は、黒に近い茶色のロングヘアをしており、目鼻立ちもハッキリとしている。
出来るキャリアウーマンという感じだが、
今はただの酔っぱらいだ。
プ~ラプラッと電信柱に当たりそうになりながら、歩いていると自宅マンションに着いたようだ。
エレベーターで4階を押し、玄関までなんとかたどり着いた。
おぼつかない手で、ガチャガチャッと鍵を開け、そのまま玄関口に倒れ込んでしまった。
最初のコメントを投稿しよう!