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そして、しばらく経ってから...
「んぁっ?...ぁあっ?」
口からヨダレが垂れている。
「いったぁ...うん?今、何時よ...」
ノソノソと腕時計を確認する。
「うわぁ...もう日付変わりそうじゃん...
はやくお風呂入って、寝よ...
まぁっ、明日は休みだからいいんだけどね~♪へへーんっ♪」
すぐさま、衣服を脱ぎ捨てると風呂場へ向かった。
「酔いは冷めてるか微妙だわ...
でもまっ、湯船には浸からないからいいでしょっ、シャワーでしょっ♪」
次の日が休みだからか、ご機嫌の様子だ。
ルンルン~♪
と髪の毛や身体を丁寧に洗っている。シャンプーやコンディショナー、トリートメント、ボディーソープ、スクラブまで高級品で揃えてある。
「やっぱ、この香りは最高ね~♪」
ご機嫌でメンテナンスをしていると、
急にグラッ!とめまいのようなものがした。
「...あれ?...まだやっぱり酔ってるのかな?」
そのあとも、グラグラグラッ!!!と強い揺れがっ!!
「えぇっ!?ちょっと待ってっ!!
なにっ!?なんなのっ!!地震っ!?」
とても強い揺れを感じ、パニック状態だ。
地震の警報音も鳴り響いている。
「うわっ、こわっ、揺れてる!!揺れてるっ...!!はやく止まってぇっ...!!」
頭や身体に泡をつけまくりながら、手すりにしがみついている。
少し経つと、余震もおさまってきた。
「はぁ~っ...よかったぁ...なんとか助かったわ...」
「さて、はやく流しましょっ。」
蛇口をひねった。
「.........」
もう一度、さらにひねった。
「.........あれっ?........」
一向に水は出てこない。
「あれっ?あれっ?あれっ?」
なんど蛇口を閉めて、開いてを繰り返しても水が一滴足りとも出てこない。
「うわっ...断水か...さっきの地震で、だ...。水が上がって来ないんだ...なんてこと...」
泣きそうになりながら、頭を抱えている。
「...もう仕方ないわ。とりあえず出よ...」
落胆しながら、立ち上がった。
「.........」
「.........うん?.........」
「..................あれっ?..................」
「開かない...
扉が、ぜんっぜん開かない......
さっきの揺れのせいで、扉が歪んだんだ...」
(...絶望の表情...)
「そういえば...地震が起こったときには、真っ先に扉を開けて避難経路を確保しろって...
誰かが言ってたっけ.........
......ハハッ.........アハハッ!
アハハハハハハハハッ!!
アーッハッハッハッハッ!!!
.........アァーンッ!!ウワァーンッ!!!」
号泣。
「信じられなぁーーーいっ!!!
死ぬぅうううううう!!!
私、死ぬぅううううううううう!!!!!」
そこから、ジタバタと足掻きまくったが、何ともならず。
マンションの内側にバスルームが設置されているため、窓もない。
バケツやシャワーヘッドで扉をぶち破ろうとしても上手くいかない。
文字通り、閉じ込められたのだ。
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