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「もう、お姉ちゃんはっ!!
地震が起こったら、まずは近くの扉を開けておけって小学校の頃、習ったでしょ!?」
「そうだったのを...開かなくなってから思い出したわ...(汗)」
「まぁ、とにかく生きててよかったわ。」
ほっとしたように夏呼は胸を撫で下ろした。
「うん...助かったわ...ありがとう」
夏呼は、私の一つ下の妹である。
お転婆な感じだが、意外と頼りになる心強い親友のような妹だ。
「うわぁーっ、相変わらずだね。」
「?...なにが?」
「この部屋よっ!相変わらず片付いてないわね。まっ、いいや!明日、ちょっと時間をちょうだいっ!ランチに行きましょっ♪
じゃあねっ!!」
「えぇっ!?」
「なによ、命の恩人にランチくらいご馳走してくれてもいいでしょっ?」
「いや、そうじゃなくて。片付け手伝ってくれないの!?」
「私も家を片付けないとだしっ、また明日ね~!!」
「あっ!!ちょと待って!!母さんは!?
大丈夫だった?」
「もちろん~、何かあったら先に言ってるよ!!わかってると思うけどっ。」
「そか、よかったよかった...じゃあ明日ね」
そうして、そそくさと妹は帰っていってしまった。
とりあえず、最低限の片付けを済ませようと着替えてから、一日中片付けていた。
そして次の日、妹に連れられ近くの行きつけフレンチのレストランに来た。
「お~いし~いっ!!やっぱここのお料理もバケットも美味よねぇ~♪」
「昨日はね~、母さんに春呼を見に行ってやってくれって言われて来たんだけど、それで来たら、春ネェが閉じ込められてるからさぁ(笑)
一応、ノコギリとかも持ってきてたんだよ?
さすが私よね!用意周到よ~♪(笑)
母さんは、倒れた物とか家で片付けしてたけど~まぁもちろん春ネェの家ほどじゃないけどね。春ネェの部屋は、もともとぐちゃぐちゃだし(笑)」
「いや、ぐちゃぐちゃってほどじゃないわよ...(汗)
そっかそっか、でもそんなに大したことなくて、よかった」
「あっ、あとそうそう、この後ちょっと付き合ってね?
私の友達の不動産屋さんのとこ行くから。
あの駅前の高級マンション!一戸だけ急にキャンセル出たんだって~!!
これは、買いでしょっ!?」
「えっ?あんた、マンション買うの?」
「うううん?」
「え?じゃ、誰が買うの?」
「お姉ちゃん」
「え?」
「だから、お姉ちゃんよ」
「.........えぇっ!?」
「まあまあまあ、一度見てみなって!絶対に良いからっ!!」
「そっ、そりゃ良いだろうけどっ、えぇ~っ!?」
そうやって、夏呼に無理矢理連れられ、気がつけば、マンションの内見をすることになった。
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