ことのはじまり

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ローンの申請や、登記など諸々の手続きが済み、引っ越し作業も完了したころ、マンションの入居者への説明会があった。 そして、最後に... 「施設等の説明は以上です。 また、こちらの管理会社に関しましても、政府より格差婚法令の推進の協力要請があり、職員の待遇は独身の皆様方には、適するよう(つまりは、低収入=貧乏)に設定されております。 どうか、その旨、ご承知いただいて、独身の皆様方にとって良いご縁がありますよう願っております。 それでは、本日の説明会は以上でございます。皆様、お忙しい中ありがとうございました。」 そうして、マンションの説明会は終了しようとしていた。 独身、独身って...独身の何が悪いのっ!! 誰にも迷惑かけてないでしょっ!? と沸々と怒り心頭の春呼であった。 「あの...?」 春呼は、横に座っていた女の子に話しかけられた。 「は、はい?」 ゴスロリ風な黒のフリフリの格好を頭から足先まで身に纏っている。 いくつだろうか?若くは見えるが... 「初めまして、倉科 モエ(くらしな もえ)と言います。よろしくお願いします。」 「あっ、こちらこそ、よろしくお願いします。一ノ瀬 春呼(いちのせ はるこ) と申します。」 ファッションに目がいってしまって、年下かと思われる女の子から挨拶してもらって、反省する春呼であった。 夏呼よりも年下かな...? 仲良く出来たらいいな。 軽い挨拶だけして、マンション住民は、解散となった。 マンションは、玄関を入りコンシェルジュが常時何名か配置されている。 「いってらっしゃいませ~」 「お帰りなさいませ~」 まるでホストか!!と思うほど、イケメン揃いである。 キラキラキラ~ッとメンズ達がきらめいている。職員に男性が多いのは何故か!? ここは、あまり女性職員がいない...。 なぜだ...なぜなんだ...!? 皆...私を誘惑しているのか...!? ダメダメッ!!見ちゃダメッ!! ときめいちゃダメーーーーーーッ!!! ダメよダメよ...ッ!!! 彼らは低収入男子なんだからっ...!! 私が養わないといけない運命なんだからっ!!! 贅沢が出来なくなるわよっ!!! 春呼...それでもいいのっ!? って、自問自答しているが、特に今なにが起こってるわけでもない。 落ち着け、春呼。 そうこうしているうちに、1人の地味目な男性職員が目に入った。
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