たとえ星が降らなくても

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「え、ほんと?これ、貰ってもいいの?」 「ん。返されても困る。俺じゃ使えないし」 「ありがと!星だ!キラキラしてる!すごい!可愛い!! 興奮した声を上げながら、彼女は手の中のものに魅入っている。 そこにあるのは、紺色の薄く透けた生地に金色で星の柄が入ったシュシュ。 「天の川みたい!」 シュシュに巻き付いた星のチャームを触りながら、彼女が目を輝かせて言った。 俺もそれを一目見た時に、そう思ったんだ。 「この丸い飾りも可愛い!」 星のチャームの下にぶら下がった、丸い飾りを指先でつつきながら興奮した声で彼女が言う。 一個は淡水パール、もう一個はピンクゴールドなんだって、お店のお姉さんが言ってたな。星のチャームはイエローゴールドだとか。 「ありがとう、南雲!」 満面の笑顔でそう言った彼女に、俺は黙って頷く。 そんな可愛い笑顔で喜んでもらえたら、女性ばかりのアクセサリーショップで居た堪れない思いをした、先月の俺の努力も報われるだろう。
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