DAY2

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私の上司、風間龍一はユニセックスな人だ。 年は母より5歳位下だが、美しい。 束ねた髪は白髪混じりだが、全身シャープで無駄がない。 美しいモノを愛する変わり者。 衣装部は、撮影に使う全ての服飾を用意する。それがドラマであれ、報道であれ。 自前の衣装で出る様なら、出演者同士の配色が被らない様にするとか。 外部からレンタルするモノもあれば、衣装部が制作したり管理してる物もある。 私は、服飾管理課に所属する。 常日頃は傷まない様保管し、使って返却された物はクリーニングし、破損があればメンテナンスする。 何千着もある服は、それだけでも骨が折れる。 「時代考証の先生から、指示入ったわ」 「うわっ。あの先生細かいですね」 同僚が渡されたリストを見て、タメ息をつく。 金曜日も確か、こんな感じで始まった。 「優花をアテにしてるのよ、あの先生。探すの手伝ってやって。今日は復元ないでしょ?」 「…はい」 復元。私の担当は、衣装部が保有する古今東西の服飾に使われてる布、革、毛、金銀糸等何でも直す事だ。 更に、卒論は服飾史がテーマだったので、時代に応じた衣服の特徴、服装が表す身分や正装か否か等が分かる。 時代考証の先生にも一目置かれてる。 やはり会社でも、同じ…日にちがリバースしている。 作業台付近にある日めくりカレンダーが金曜日だ。 念のため風間課長に 「すみません、つかぬことをお聞きしますが、今日は金曜日ですか?」 凄く残念な人を見る様に私を見て 「そうよ。貴女、頭大丈夫?浮かれてお花畑にいる?」 綾香さんといい陸といい、私に優しい人は、私に毒舌だ。 「いえ。…始めよう、リスト見せて」 同僚と一緒にキャスター付きハンガーラックを押しながら、保管庫に向かう。
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