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ええっ!?
何かの間違いではと思い、自分の携帯を操作しても、同じ日時を表示している。
「…優花、どうしたの一体?
疲れてるんじゃない?今日と明日の為に詰め込み過ぎたんじゃん?」
瞼を半分以上閉じたまま、布団の中でモゾモゾ寝相を直す彼。
あの大変だった1日が夢だった?
口をアングリと開けたまま、ベッドの上で正座をし拓真の見つめる。
私と接してる部分から冷気が入り
「…寒い~」
なら、ちゃんとした格好で寝なさい!
と頭の片隅で忠告をする。
何度言っても直らない彼のクセ。
確かに昨日の結婚式の前日の朝も、こんな感じで拓真は布団にくるまっていた(この時期いつも同じだが)。
その後、軽く朝食を食べ婚姻届を出しに、拓真と一緒に最寄りの役所に行った。
それも夢?
ここ最近の結婚式の準備と仕事の多忙さで、
婚姻届を出し、
式を挙げた、
長い夢を見ているのか?
つねる。
普通に痛い。
布団の中の色白で睫毛の長い私の彼、鈴木拓真。
平日の全国版お茶の間アナとして栄転して、世間に顔が知れ渡ってからは、外で思いっきりデートがなかなか出来なくなった。
自宅と職場の往復。
生放送の時もあれば収録の時もある。
スタジオの中だけで日中外に出ないので、元から白い肌がより白く…男にしておくには惜しい容姿。
地声は少し高めの声だが、滑舌が良いのと地道なボイストレーニングの賜物で、今やカルチャー枠、エンタメ枠の司会などの声がかかる様になった。
本人曰く、
「本当はニュースやりたいんだよね~でも顔と声音がね」
自身でも分かってる通り、真剣なニュースを読み上げるアナウサーになるには、甘過ぎるフェイスと声質なのだ。
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