DAY1

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そんな彼に比べ私、林優花は、 平均よりぼっちゃり体型女子だ。 チャームポイントと言えるか分からないが、二重で大きな瞳?えくぼ? (夢か現実か今は不明な)結婚式では、多くの人に不躾にガン見された。 でも良いんです!拓真が 「愛してる~」 とへばりつくんだから! 体型の事は、随分前に克服しました。 拓真と似合わない? 拓真がふざけてる? とか色々、本当に色々考えた。 体型にコンプレックスが無かった訳ではないから、余計。 でも、それを打ち破る様に、毎日毎日 甘々デレデレ攻撃をかけられては…白旗挙げるしかありません。 まあ、当然 「私を好きな理由は?」 と聞きましたよ。 「え~何で言わなきゃなんないの~!?」 とスリスリと私にハグしながらも面倒くさがる拓真に、上目遣いにお願いポーズをすると、 「温かいでしょ」 体温がね 「気持ち良いでしょ」 触り心地がね 「愛らしいでしょ」 ペットかゆるキャラか? 答えと共にキスの雨を私に降らす。 そして真顔で 「命の恩人でしょ」 そうなのだ、私は拓真の命の恩人らしい。 らしい。 というのは、私にとっては至極当たり前の事が、彼にとっては青天の霹靂。 それも女の子が!?って感動して、私に惚れるきっかけになった。 それは、同期で行った海辺のBBQ大会で、溺れた彼を私が助けた事だ。 アナウサーの彼と私は、同期入社だ。 勿論部署が違う、私は衣装部。 私も彼も、かなりの倍率をくぐって、国民の誰もが知ってる大組織に就職した。 地方に配属になった同期も合わせれば、大人数になる。 なので毎年10月の第三土曜と決め、何らかのイベントをする。 個別で何人か集まって同期が飲む事はあるだろう。 だが全国規模の大がかりな同期会は、この日だ。場所が東京の時もあれば、違う時もある。
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