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トドメは、役所で手続きした時。
「おめでとうございます。無事手続き出来ました。こちらが新戸籍です」
と鈴木優花になった戸籍を見せて貰った時。
一昨日も確実に見た。
役所が拓真のドッキリに付き合うハズがない。
拓真は大事そうに謄本をしまい込み
「これで優花は、僕の奥さん!」
と抱きついてきた。
あの時は、恥ずかしくて抱き返せなかった。
今は、茫然自失で出来ない。
その後、拓真とは別れた。
お互いの家族と過ごす為だ。
式に列席する為上京してくる祖父母を迎えに行った両親一行と、私は実家で合流した。
元気のない私に、祖母は
「なに~浮かない顔してっんの?幸せが逃げるよ」
と背中を叩く。
一昨日は正真正銘のマリッジブルーだったので、やはり叩かれた。
多少の時間の前後はあっても、同じ進行で気味が悪い。
明日に備えると言って、早めに自分の部屋に上がりベッドに横たわった。
起きたら絶対月曜日!ホテルの部屋!
これが全部、夢でありますように!
そう、願いながら瞼を閉じた。
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