DAY2

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DAY2

私の部屋。 目を覚ますと、見慣れたインテリアの自分の部屋。 カーテン越しに陸のブラインドが見える。 月曜日でははい。 急いで携帯を見ると、一昨々日の金曜日になっている。 「…マジ?」 寝ると1日1日戻るの? 思わず、えづいた。 ドアがノックされ、母が 「優花、大丈夫?」 時間は、いつも家を出る時間を過ぎている。 金曜日は、確か遅刻した。 式に向けての緊張等で、寝つきが悪かったからだ。 出社しない事も考えたが、会社の様子も知りたい。こんな変な事は私の勘違いで、世間は通常の時間の流れかも? 急いで準備した。 「パンだけでも食べたら?」 母が声をかけてきたが、 「行って来ます!」 と飛び出した。 会社を立ち上げ軌道に乗ってから、母は自宅で仕事をし、オンラインで指示を出している。ついでに料理を作る様になった。 この状態を誰かに相談するべきか? いや、確実に精神科行きだ。 電車に揺られながら、考えた。 1日を通して過ごす。 寝ると、その前日に戻る。 1日1日が巻き戻されてく。 例えるなら今日亡くなった人に、寝れば会える? 今日知り合った人は、寝たら見ず知らずの他人? 私自身の年齢は? 社会人から学生、果ては赤ちゃんになるの? コメディ映画みたいに、割れたコップが巻き戻しで、元のコップに戻る…そんなリバースだったら、笑えるのに。 そんな事をつらつら考えながら出社したら、 「遅刻とは良い根性じゃん、幸せボケしてる暇があったら働け!」 上司に叱られた。
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