38人が本棚に入れています
本棚に追加
DAY2
私の部屋。
目を覚ますと、見慣れたインテリアの自分の部屋。
カーテン越しに陸のブラインドが見える。
月曜日でははい。
急いで携帯を見ると、一昨々日の金曜日になっている。
「…マジ?」
寝ると1日1日戻るの?
思わず、えづいた。
ドアがノックされ、母が
「優花、大丈夫?」
時間は、いつも家を出る時間を過ぎている。
金曜日は、確か遅刻した。
式に向けての緊張等で、寝つきが悪かったからだ。
出社しない事も考えたが、会社の様子も知りたい。こんな変な事は私の勘違いで、世間は通常の時間の流れかも?
急いで準備した。
「パンだけでも食べたら?」
母が声をかけてきたが、
「行って来ます!」
と飛び出した。
会社を立ち上げ軌道に乗ってから、母は自宅で仕事をし、オンラインで指示を出している。ついでに料理を作る様になった。
この状態を誰かに相談するべきか?
いや、確実に精神科行きだ。
電車に揺られながら、考えた。
1日を通して過ごす。
寝ると、その前日に戻る。
1日1日が巻き戻されてく。
例えるなら今日亡くなった人に、寝れば会える?
今日知り合った人は、寝たら見ず知らずの他人?
私自身の年齢は?
社会人から学生、果ては赤ちゃんになるの?
コメディ映画みたいに、割れたコップが巻き戻しで、元のコップに戻る…そんなリバースだったら、笑えるのに。
そんな事をつらつら考えながら出社したら、
「遅刻とは良い根性じゃん、幸せボケしてる暇があったら働け!」
上司に叱られた。
最初のコメントを投稿しよう!