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「同棲って……」
「ああ、だってそれくらいしないと、お父さまが認めないもん。心配しなくても、お父さまたちも一緒だから二人っきりじゃないよ?」
それはさらに心配ですけどね。
そのお父さまは、聞くかぎりどう考えても恋人の存在を嬉しがっていない。
そんな人と一日中――いや、夏休み中一緒というのはもはや拷問の類ではないだろうか。
いや、それ以前に、いくら豪邸と言っても一軒家であろう、女子の家に泊まりに行く?
それも夏休み中?
明らかに異常であるとしか思えない。
この話、断ろうかな――。
僕がそう考えていることすらも、見透かされていたのか。
櫻小路さんが近寄ってきて、上目遣いでこちらを見上げた。
「だめ?」
…………それは反則だ。
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