狐火門

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紫乃舞は、人混みの流れに身を任せるように和良比神社に向かっている。 様々な匂いが混ざり合う人混み、、、 後ろの方から、風に乗って、わたしを酔わせ惑わせ淫らにしてしまう香り、、、 「なんや、これ、、懐かしい匂いや、、、」 その香りは紫乃舞の鼻腔をくすぐる。 わたしは、かゆらり沈香に似ている香りと思っていた。 その匂いを漂わせている人が自分のすぐ背後にいることに気付いた。 首筋に息を感じて、、身震いした、、甘い花の香りが漂う息だった。 声を出しそうになったのを、、ぐっと堪えて、、、 ただ首筋に息を吹き掛けられただけなのに、全身に鳥肌が立ち、、 股の付け根に、ぎゅっと力が入る、、、 「いややわ、、うち、やっぱり、、、」 つい口にしてしまった、、、、欲求不満なんやわ、、うち、、
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