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◆第1章 ふたつ名の令嬢と龍の託宣◆
北の小国ブラオエルシュタイン。
四方を山脈に囲まれたこの国は、他国との国交も乏しく、諸外国では謎多き国として知られている。龍が住まう国として語られるも、その仔細は不明である。
一年の半分以上が雪に閉ざされる静かな国で、良政を行う王家のもと、国民はつつましやかな暮らしを営んできた。
龍の加護を受け、長きに渡り平和を築くブラオエルシュタイン。
ここに綴るのは、龍に守られし者たちのいくつかの愛の物語――
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