<31・Promise>

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 助けたいとは思う。力になりたいとは思う。しかし、そこに踏み込みすぎればむしろ傷つけてしまうかもしれない、なんて。友達になっても恋人になっても、なんて不自由で厄介な関係なのだろうか。 ――それでもアタシは……あんたの為に何かしたいって、思っちゃうんだ。  涼介の居場所はわかった。あとは、自分が涼介に会いに行く勇気があるかどうか、それに尽きるだろう。会いにいけば迷惑になるかもしれない。ストーカーのようだと怖がられるかもしれない。もし本心から突き放されるようなことがあれば、きっと自分は立ち直れなくなることだろう。そんな時ミリーが傍にいてくれればどれだけ心強いか。そう思うのも、事実ではある。  しかし、涼介の居場所が判明したということは。自分達にとって、正確にはつぐみにとって、ひとつの目標が達成されたことに他ならない。簡単に言ってしまえばそう――あとはつぐみ自身の問題であることも間違いはなく。ここで、ミリーは新しい場所に旅立ったとしても。区切りはついているのだから、と言ってしまうこともできなくは、ない。  約束を反故したことにも、きっと――ならない。あとは、つぐみ自身が納得するかどうか、それだけだ。 ――ああ、そっか。  つぐみは唐突に、理解する。不器用で、できないことだらけの自分が。ミリーに何の恩返しもできていない自分が。ミリーの為にたったひとつしてやれることがあるのだとすればきっと、それは今ここで決断することに他ならないのではないか、と。  だから。 「……聞いてね、ミリー。アタシの今の、本心」  だから。伝えなければならないのだ。それがどれほど無様な本心であるとしても。 「アタシ、涼介を一緒に待ってくれるってミリーが言ってくれた時、すごくうれしくてさ。その約束があれば、涼介とうまくやれなくても、今度こそ二度と会えなくなっても……頑張れるんじゃないかって、そう思ったんだよね」 「……うん」 「そう、思ったんだあ。……でもよく考えたらそれってさ、失敗した時の予防線に、あんたを使ってるだけじゃないのかなって。たった今それに思い至って、はっきり言ってショックだっだ。わかってたはずなのにね、自分が弱いことくらい。これ以上醜いところなんて、見つかることもないって信じてたんだ。馬鹿みたいね」
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