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大体、谷田の方から女性陣にボディタッチはしない。 当たり前だがこのご時世、男性からは確実にアウトだ。 広報も法務部も本社にあるから、良く社内で姿を見かける。 しなを作り、彼の腕とかに業務外の過度なスキンシップをしているのは、女性達の方だ。 縁結びの谷田。 そんな異名だから余計、女性達も纏わり付く。 谷田と懇意にした後の彼女の成カップル率、成婚率が高いのだ。 男女の仲をまとめるという事は、同性からの信頼もないと駄目だ。 その点、谷田が良く男だけで宅飲みをするせいか、谷田ん家で悩み相談なんてのもあるそうだ。 あの仕事の時の聞きっぷりなら、頷ける。 今夜の同期会も、今度結婚する同期二人の話で盛り上がった。 その2人も谷田が取り持った。 入社してから数年経ち仕事も覚え、新人とは冷やかされなくなった30手前の頃、まず女の方が動き出す。 晩婚化が叫ばれてるが、やはり30前に結婚したいと思う女性は多い。 私は丁度この頃、望を出産した。 旦那とは学生時代に知り合い、結婚した。 私の方が先に司法試験に受かった。 今思えば、それが破綻の原因か… 修習を終え、裁判官の道に進み、 東京から比較的近い地方都市に配属になった。 配属先が決まった時、官舎の申請もした。 いずれ激務になり二人で住む都内のマンションからの通勤は、難しくなるのが目に見えていたから。 旦那の両親は二人とも弁護士で、都内で事務所を運営してる。 卒業後は、司法試験の勉強をしつつ事務所を手伝う彼。 私は左陪席として着実に経験と実務を積み、忙しかった。 当面、子供なんて考えられなかった。 なのに…
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