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レベル1
「あっ…ん、ふ」
さすが、谷田圭吾。
抜群にキスが上手い。
仕掛けといて、突き放す。
なので相手が縋り付く、広報部のエース。
全国津々浦々、現地彼女がいるとかいないとか。
同期の久々の飲み会。
最近、仕事で接点が多かったので、
つい隣の席に座ったのが運の尽き。
幹事が店を出て、二次会の仕切りを始め
皆の視線がそちらに向いた途端、
店の近くの路地に連れ込まれた。
微かに決を採る幹事の声が聞こえる。
同期とはいえ、私の方が6才年上。
谷田は新卒、私は転職中途採用組だった。
新人の時から聞こえてくる噂の数が、とにかく半端無い。
よく刃傷沙汰にならないかって位。
なので、避けていた。
もう既に裁判官として社会人経験があった私は、新人研修無しに会社の法務部に配属された。
だから余りツルむ事はなかったが、谷田が別れた旦那に感じが似ているので、つい目で追っていた。
勿論、嫌悪感から。
谷田は所謂、見て!俺格好いいだろ?という自信家タイプ。
今時女子に視線を合わせ、ウィンクが完璧に決まる奴なんて気持ち悪いの何者でもない。
それなのに、今、そんな男に後頭部を鷲づかみにされ、舌で口腔をいい様に探られてる。
腰が砕けそうになり、谷田の背広の襟を掴む。
ズルッと滑り落ちそうになる私の両脚の間に、谷田の筋肉質な太股が入る。
「っ…意外とエロいのな…」
息継ぎでお互い唇を離し、額を合わせる。
私の片足が浮き上がり、タイトスカートが捲れ上がる。
濡れ始めてるのが、自分で分かる。
最近、遼太とご無沙汰だ。
2ヶ月前に喧嘩して今に至る。
そうでなくても望がいる以上、普段でも二人でゆっくりデートは出来ない。
遼太、小泉遼太郎と付き合いだしてから、彼にセカンドバージンを持ってかれ、一時は馬鹿みたい休みを合わせ、ホテルに行ってた。
谷田が口づけを続けようと、顔を傾けてきた。
その時、喧嘩した時の遼太の顔が浮かんだ。
さっと顔を背け、谷田の唇を防いだ。
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