闇と光のラビリンス

7/8
前へ
/8ページ
次へ
司書さんに、『平安の夜』と書かれた本を差し出した。 彼女は何も言わずに作業を進めていた。 古書の匂いがほのかに香る子の図書館棟は、木造の二階建てである。壁中が本棚になっているため、中にはマイナーな、それこそ『平安の夜』のようなアダルトチックなものも存在している。 あれは、歴史の授業の調べ物をしていた際に見つけたものだった。 館内を歩いて回っていると、一冊の興味深い本が目に入った。私はそれを手に取った。 そして、読書コーナーにある椅子に座って時間を忘れて読みふけっていた。 午後6時、閉館ですよ、と直接声をかけられなければ気づかないまでに。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加